NPOなんて、メインルートから外れたことをしていますと、「企業社会」が作り上げた価値観と、その限界が良く見えます。
兵庫のNPOでは、組織に滅私奉公するのではなく、「生きがいしごと」を目指しましょう、それには企業以外の職を探すという道も検討しましょう、なんていい方をしています。
(そのためにNPOが運営する「生きがいしごとサポートセンター」なるものが、県の補助金で県内6箇所に設置されています。)
ただNPOではまだまだ食べていけないのが悩みです(^^;
品川の本屋でうろうろしていたら 「現代思想」がたまたま目に付く。 最新号 http://www.seidosha.co.jp/index.php?%B3%D8%B9%BB%B2%FE%B3%D7 に佐々木賢さんのお名前を見つける。 立ち読みをし、すぐに購入。 佐々木賢さんは、都立定時制高校の先生を長く勤められた。 ワタクシが入社して3、4年目(1990年ごろだっけか・・)に、高校教育をテーマに、初めて長期連載に携わったとき、取材したかただった。 そのころ、高校の中退者増加問題が神奈川県でも問題になっていた。 「教育」問題あるいは学校間格差の問題として取材に着手したのだが、どうも現場の先生と話をしたり生徒の様子をみていると、「社会、とりわけ労働市場の価値観の変容」の問題だということに気付いたのです。 そのとき「高校中退者が群れとなって、浮遊層となる」と貴重な示唆をしてくださったのが、佐々木さんでした。 都立定時制高校の教師を長く勤めていた佐々木さんは、ほかにも「資格社会と仮目的」(資格をとりさえすればなんとかなる、という幻想をいだかせることによって、結局、教育・資格産業が肥大する社会)とか「単純労働に耐えられず辞める子供たちを責めることはできない。社会がそのような(ニンゲンを創造力がまったく必要としない)労働を強いている」といったお話をされていて、折に触れ、先見的だったなあ、と思い返す方でした。 ⇒最新刊は「教育と格差社会」 青土社 (2007/07) http://www.amazon.co.jp/%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%A8…4791763556 で、久々に「現代思想」なるものを購入して佐々木さんの対談を読むと、佐々木賢さんはなんといま、神奈川県高等学校教育会館教育研究所代表(横浜市西区)をしておられる。 http://www.edu-kana.com/index2.html http://www.edu-kana.com/kenkyu/nezasu/index.html 佐々木さんからみえている神奈川は、わが組織のつくるプロダクトには残念ながらほとんど載っていないような感じであります。 高卒者のほとんどが1年以内に会社を辞める。 世間は眉をひそめるが、教師たちは内心、「よかった」と胸をなでおろすという。 なぜなら、過労死寸前まで働かされ、賃金は非常に低いままという過酷な状況だから。 ルポをしなければいけないような事例がたくさんたくさん出てくる。 うーむ。 ううううむ。 暗黙知のままにしておいてはいけないこと。 オンラインにしなければいけないこと。 いまのワカモノのうえにおきているさまざまな問題は、教育問題などではなく、労働問題、社会制度の問題であるということ。 本来、撃つべきところを撃たない解決案は、アリバイ作りといわれても仕方ないのだろう、きっと。 頑張りたくない社会のために、ひとは頑張れない。 というか、頑張るなよ!という感じですよね。 わたしたち大人は、のちのちの方々が「よしっ」と頑張りたくなるような社会をつくるためにどうするかの方を、真正面にやらんとだめなんだ、きっと。 そしてまず、その「真正面」がどこなのか?を、共有しなければいけない段階、なのだろうが。 青少年支援系の方は、佐々木さんとお会いする&著作を読まれることをオススメします。 |