最高裁判決を無視することは憲法を無視すること テレビのニュース番組を見ていると、自民党の総裁選挙が事実上の次の首相選びのように思えてくる。 衆議院選挙がいつ行われるのかわからないし、自民党が勝って第一党になるかもまだわからない。 そして何よりも、「現在の一票の格差は違憲」(最高裁判所)という状態が解消されていないにもかかわらず。 このままでは国会(と政府)が、最高裁判所の判決を無視するかたち、ひいては日本国憲法を無視するかたちで、 衆議院選挙を行うことになる。 問責決議を行って国会の審議をとめ、「違憲状態」を解消しようとしていないのは、自民党だけでなく、 すべての野党にも責任があるだからだ。 行政は前例主義だから、一度憲法を無視する前例がつくられると、あからさまに憲法を無視する政策が次々と 行われることになる。 そのことが国際情勢をはじめ、基地問題、最低生活の保障など、さまざまな局面で良くない影響を与えることは 容易に想像される。 尖閣諸島で武力衝突が起こる危険性まで生まれようとしている。 全国各地の裁判所で行われている原発差し止め訴訟にも影響するだろう。 原発直下に活断層があることがわかってきたことから裁判所が原発の再稼働を差し止め判決を出すことが 現実味を帯びてきている。 これを国会と政府が無視して再稼働させるのではないか、ということだ。 政府と国会が憲法を無視するようになれば、いったいだれが日本国憲法や法律・規則を守るだろうか。 道路では車までもが信号無視をするになり、中学校では校則を守らない風紀の乱れがひどくなり、 他人の人権を認めない「いじめ」が横行することになる。 それにもかかわらず、法曹関係者や市民団体が「国会は憲法を守れ」と、声をあげようとしないのはなぜだろうか。 テレビ局は、日本という国のかたちを壊すことに荷担している自覚を持って自民党総裁選挙を報道してもらいたい。 |