一言集会所からさらに西へ150m進むと鳩の街商店街に出ます。道幅の狭い、下町らしい商店街ですが、この中にNPO法人雨水市民の会の事務局があります。
事務局の前には、去年、世田谷から里帰りした直径1m、高さ1m余りの天水桶がありました。江戸時代には本所の味噌醤油問屋にありましたが、関東大震災で目黒に疎開、太平洋戦争で世田谷に疎開していたものです。天水桶の化粧直しには私も参加しました。
雨水市民の会から歩いて5分の所に「路地尊2号基」がありました(貯水量3トン)。樽の上に切妻型の掲示板というモニュメントの傍らに手押しポンプ。2号基は、近くの工場で火災があったときに、住民がバケツリレーで延焼を食い止めた実績を持っています。
2号基から3号基「有季園」への道は入り組んで複雑なため、いったん水戸街道に出て再度路地に入るルートをとりました。
水戸街道の鳩の町商店街信号から南へ約10分のところに飛木稲荷があります。室町時代に鎌倉から落ちてきた北条氏による創建で、イチョウの木がこの場所に飛んできたことが名前の由来とされています。境内には、樹齢300年を超えているのではないかと思われる大イチョウの木がありますが、その幹が真っ黒に焼けこげていました。関東大震災と東京大空襲、ふたつの大火をイチョウの木はくぐり抜けていました。それでも、青々と葉を茂らせている自然の強さには驚かされます。
東武スカイツリー線と京成押上線が併走する先に、スカイツリータウンが見えてきます。墨田区は建築要綱で、大規模開発の際には雨水利用をしなければならないことになっています。スカイツリーでは2,635トンの雨水を貯めて、屋上緑化の植栽への散水、トイレの流し水、防火用水のほか、20kW(222枚)の太陽光パネルの散布冷却水として使われています。
スカイツリーと道路を隔てたところにある、墨田区押上自転車駐車場がツアーのゴールです。ここでは「全ての雨水を有効に使おう」と、屋上緑化に降り注いだ雨水のあまりを230トンのタンクに貯めて、トイレの流し水や晴天時の散水に使っています。
スカイツリーをバックに記念撮影をして、エクスカーションは終了しました。
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