[件名] 「第三次循環型社会形成推進基本計画(案)」に対する意見 [氏名] 山田 岳 [職業] 自由業(ただすのもり環境学習研究所 代表) [意見] 1) <該当箇所> 8頁 下から3行目 <意見内容> 「2Rの取組がより進む社会経済システムの構築」を最初に取り上げたのは評価できる。 <理由・出展> 第1章第1節でも書かれているとおり、リサイクルばかりが偏重されているから。 2) <該当箇所> 9頁 8行目からの段落 <意見内容> 食品ロスへの対応がリデュース・リユースとどのようにつながっているのかが分かりにくい。 <理由・出展> 食品リサイクル法に言及されているために、むしろ食品リサイクルがイメージされてしまう。リデュース・リユースの取り組むべき課題のとして食品ロスを取り上げるのは不適当ではないか。 むしろ、消費者庁と協力して消費者教育としての「グリーン・コンシューマー」(環境を配慮した消費者)育成を進める必要がある。「グリーン・コンシューマー10原則」の1番は「必要なものを必要な量だけ買う」である。 グリーン・コンシューマー10原則:『グリーンコンシューマーになる買い物ガイド』(小学館) 3) <該当箇所> 9頁 下から6行目以降 <意見内容> リサイクルの課題は果たしてここに書かれているようなことだろうか、疑問である。 <理由・出展> 地方公共団体はリサイクルのために増え続ける財政負担に悲鳴を上げている。これを解決するのは、リサイクルの全体量を削減することと、リサイクルされる「もの」をできるだけ有価物化して民間での回収を促進することである。そのために必要なこと(政策・施策)が緊急性の高い課題である。 4) <該当箇所> 11頁 下から4行目以降 <意見内容> 放射能に汚染された物質までもリサイクルしようとしているとの誤解を招く。 <理由・出展> 「有害物質をしっかりと処理した上での循環資源の利用」と書いてあるから。放射性物質の付着した鉄やアルミをリサイクルすることは放射能の拡散であるばかりか、鉄やアルミの品質低下(不純物の混入)にもなる。 5) <該当箇所> 44頁 下から2行目 <意見内容> LCAの視点を取り入れるのは大事だが、経産省を中心に作られたCFP制度では、リユースが不利になっている。 <理由・出展> ワンウエイ商品は製品の輸送に係るCO2排出量のみを計上し、配送後帰還するトラックからの排出量は計上されない。一方リターナブルびんについては回収するトラックからの排出量を計上しなければならないことになっている(牛乳PCR)。 全体として、新鮮味に欠ける。 リユース制度の具体的取り組みの記述がない。ドイツやデンマークでの飲料容器の法制度が知られているにもかかわらず、経産省に遠勝てないことがはじめからわかっているのか、法制化についてまったくふれられていないのが残念である。 以上 |