みどりのカーテン講習会 と き 2016年5月7日 ところ 江東区総合区民センター 主 催 江東区環境学習情報館えこっくる江東 運 営 江東エコリーダーの会 1.「みどりのカーテン」の効果と省エネライフ温暖化防止 講師 石井匡志(樹木医) 植物と人間との間にもバイオリズム(相性)がある。 うまく育たないときは他の植物に替えてみるのも一つの方法。 ゴーヤの原産地は東インド(コルカタ周辺)。 東インドの気温は高いが、7~8月は日本の気温も現地に近づく。 ただし、日本の降水量は少ないので、たくさん水をやる必要がある。 「みどりのカーテン」の概念は、住環境コーディネーター甲斐徹郎氏の 著書『まちに森をつくって住む』(2004年)に始まる。 サーモグラフィーで調べると 直射日光が当たっているコンクリートの表面温度40℃ みどりのカーテンの葉の表面温度32~33℃ 気温だけでは、あまり涼しくなった数字だが 常緑のツタで調べたところ、プランターからを含めて毎日2kgの水を蒸散させている。 蒸散により、植物は約25%の熱を奪っている。 よしずとみどりのカーテンで比較実験でも みどりのカーテンの方がピーク時の表面温度が低くなることが確認されている。 (よしず40℃、みどりのカーテン35℃) ちなみに葉の表裏では温度には差がなかった。 これらのことから、みどりのカーテンは 「放射環境の改善により、涼しく感じられる」 と、言うことができる。 鈴木、加藤、藤田のグループはマンションで比較実験を行ったところ、 みどりのカーテンでは熱放射の平均値(MRT)が40%低減した。 みどりのカーテンが風(熱風)の流入速度を和らげたことによる。 湿度輻射熱気温(WBGT)は、ピーク時で1℃低下していた。 一方朝はわずかに上昇していた。 葉から出る湿気により湿度が上昇して暑く感じられることになる。 気温が低くても輻射熱を出すものがあれば暑く感じられる。 (すだれやよしずは、太陽光をあびることでそれら自体が熱源になる) 以上のことから、みどりのカーテンは、葉の密度を上げることと 水を切らさないことがポイントになることがわかる。 植物は光合成によりブドウ糖をつくって成長する。 光合成の環境づくりは光、CO2量、水量、温度、養分、風、湿度で決まる。 このうち、気候による要因はいかんともしがたいので 人の管理では、水量と養分がポイントとなる。 「昼間に水をやってはいけない」と言われるのは ホース内などで加熱された水を与えると、根がゆだってしまうため。 葉がしおれているときは、昼間であっても、冷たい水を大量に与えた方がよい。 (大量の水であれば土の温度が下がって、根がゆでられることはない) ○ピンチ(摘心)には「頂芽優勢の原則」がある。 ピンチを行うと、植物は根から一番遠いところで子ヅルを出そうとする。 ・上ほど強く伸びる ・先ほど強く伸びる ゴーヤはピンチを行うことで「カーテン」になる。 親ヅルがネットの真ん中あたりまで伸びてピンチをしても遅い。 (下の方で子ヅルが出ることはない) 親ヅルがネットの下はしにかかったところでピンチする必要がある。 子ヅルは、人の手でネットの左右方向に誘導してやる。 (ネットに巻き付いたツルは少々切ってもだいじょうぶ) 子ヅルも、ネットの端に届いたらピンチする。 ピンチをしなければ、きれいなカーテンにはならない。 「かわいそう」は禁物。 ○肥料 肥料の袋を見ると、「窒素:リン酸:カリウム」の表示がある。 (表示は義務) このうち窒素が重要。 窒素は多すぎても少なすぎてもダメ。 「沖縄県におけるゴーヤ栽培での施肥量」(農水省)によれば 10アール当たり16kgの窒素が必要(1m2当たり16g) プランターの面積が0.9m×0.3m=0.27m2の場合 窒素:リン酸:カリウム=10:10:10の肥料では 16g/m2×0.27m2=4.32g つまり約5gの窒素が必要ということになる。 この肥料は100gの中に窒素、リン酸、カリウム各10gが含まれているので 肥料の量としては 5g×(100/10)=50g 50gの肥料が必要ということになる。 プランターは肥料が流出するため追肥が必要となるが 地面での栽培では肥料は地中に残っている。 こうしたことからプランターでの有機栽培は難しい(時間がかかる)。 以上 |