ひたすらそこに出てくる食べ物のみに感心しておりましたが、さすがに目の付け所が・・・・・
ここ数年江戸ものにハマって読みまくっております。
池波正太郎の代表作は、いわゆる「真田もの」を別にすれば、「鬼平犯科帳」、「剣客商売」、「藤枝梅安」の三シリーズだろうけれども、サラリーマンをやっている頃「人」のマネジメントに手頃な教科書がなかったので、動いてくれる部下の人数に合わせてこの三シリーズの主役のマネジメントの仕方を参考にして、「面白がって」いた。「鬼平」は数十人以上、「剣客」は数人から十人、「梅安」は二、三人のプロジェクトという風に、まことに参考になった、と思っている。この三シリーズの主役には常に「主要且つ重要な」部下(友人・家族)たちがいて、主役を支えているし、主役も主要な部下たちには常に配慮を怠らず、部下たちが「動く」ためには「金」にも吝嗇でないこと、等が大げさでなく「共通している」ことである。単なる「小説家」とは思えぬ池波先生、人情の「機微」を描きながら、冷徹な「経営者」の目と心を持っていたことは確かだ、と思っている。
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