母娘で英語に来ている6歳のMちゃんは、母親がレッスンする間隣の部屋で漢字の「書き取り」をやっている。しばらく見ていると左手で器用に漢字を書いているが、左手なので書き易いらしく時々「左から右へ」の線を「右から左へ」と書いている。「もっと書き易く」するために、鉛筆を右手に持ち替えさせて線を「左から右へ」書かせると、何とか「書いている」。鉛筆だからいいけれども筆で書くときには線の流れが「逆毛」になって、書けない、だろうと思う。小学校の先生は「それでもいい」とMちゃんに言ったそうだが、母親には将来筆を使うときに困るだろうから、左で書いてもいいけれども右手で書くことも教えておいた方がいい、と勧めておいた。Mちゃんの母親は台湾の出身で、Mちゃんは夏休みにはお祖母ちゃんの待つ台湾に行く。繁体字を盛んに使う台湾でMちゃんが字を書く様子を見て、お祖母ちゃんはどう思うだろうか。Mちゃんは、哀しそうな顔をするお祖母ちゃんに、目がキラキラしている可愛い女の子の漫画を左手で描いて、お祖母ちゃんを「苦笑」させるかも知れない。
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