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2007年08月18日(土) 
超苦手な美術・デザインについての講義・実技を、ま
さか自分がお金を出して受けるとは思っていなかった
が。
まー、劣等生だろうが、なんとかついていきましょう。

DHで、毎週土曜日の講義が始まった。
講師はイラストレーター・デザイナーの城谷斉彦さん。
(鶴見区在住)
http://www2.gol.com/users/joya/

高校生の時に「イラストレーターになろう」と思って
以来、迷わずその道を進んできたとのこと。
桑沢デザイン研究所を経て、フリーに。
「就職したことがない、天然記念物」と笑う穏やかな方。

きょうは、デザイン概論のようなお話。
・手と頭を使って、考え、ちいさなアウトプットをクライ
アント・他者と共有し、さらに考え、よいものにしてい
く。
・クロッキー帳に「アイデア・スケッチ」をする。ちいさな
思いつきを書き留めていく。
・アイデアは、予定通りに出ない。だから、常に手を
動かせる場である、アイデアスケッチが大切になる。

・このアイデア出し=構想することなしに、具体的作
業はできない。ここでどれだけ、クライアントのニーズ
を満たし、かつ、社会的に価値あるものを構想できる
かが、カギ。
・デザインをワークフローの総体と考える。
などなどなど。面白い。


デザインに関して、なかなか素敵な定義を教えても
らった。

「デジタル@デザイン—グラフィック・映像・Web表現の
ためのコンピュータ基礎技法 」
(単行本=秀和システム、絶版=渡部 隆志 (著), 有賀
妙子 (著), 由良 泰人著)
にあったことば。
=アマゾンのマーケットでユーズド入手=
参考)渡部隆志さん
http://www.headheart.com/index.html#profile

==================================================================================
「デザインとは、人間の創造力、構想力をもって生活、産業、環境に働きかけ、その改善を図る営みと要約できます。
つまり、人間の幸せという大きな目的のもとに、創造力、構想力を駆使し、わたしたちの周囲に働きかけ、さまざまな関係を調整する行為を総称してデザインと呼んでいます」
(1989年通商産業省「デザインイヤー」趣旨より)
==================================================================================
国がかかわったにしてはイカシテいる、と思う。
(いくら検索しても、原文には出会えず。経産省に聞く
しかないだろうな、この定義をした委員がどんな面々
だったかは…)

新聞社のレイアウト部門に3年半ほどいたが、記者と
して入社した人間にとって、レイアウト部門への異動
は、おしなべて皆が「凹む」イベントとなっている。

書くこと=表現で、紙面をレイアウトすること=表現が
できないと、思い込んでいる。
わたしも凹んだ一人だった。

レイアウト用紙を前に、サシ(定規ですね)を持たさ
れ、B3の鉛筆と消しゴム。
なんで記者として入社したのに「コンナコト」してる
の?と思ったことは本当だ。

しかし、モノをつくってる、というすっきり感が少しずつ
出てきたところから、「悪くないんぢゃない?」と思うよ
うになった。
まー、見出しを考える時間がかかり、出てきた見出し
も陳腐だったから、レイアウト部門でも劣等生で、読
者を満足させることができたかどうか、ということにつ
いては、まったく自信はない。

ただ、(特殊ではあっても)紙媒体を作り上げる、とい
う最終工程を知ることは、情報パッケージを、どういう
プロセスで制作し、作業フローをどのように誰が担っ
ていくか、ということを考えるときに不可欠なので、
ちゃんと経験できたことは貴重であった。。

で、毎日毎日、レイアウト用紙を前に、ラフスケッチを
書くわけです。1日最低2つの面を作るので2枚は書
く。

行数、写真の大きさを計算し、見出しのスペース含め
て割り付けていく。
(昔、名人の域に達する方は、原稿用紙を持った重
みで「80行」と見当をつけ、レイアウトしてぴったりだっ
た、という逸話もある)
すごく泥臭い作業。

本日の講義で「手と頭を動かして、イメージを形にす
る」と聞いたとき、思い出した作業だ。

レイアウト部門に携わる前に、上記の「デザインの定
義」を知っていたら、やる気が違っていただろうな、
と、ともにデジハリに通学している同僚と話をした。

そしてこのデザインの定義は、人間と人間の関係、
人間と社会の関係にも通じる。

その他もっと、面白い気づきがあった。
・レイアウトの変更は、視覚言語を変えること。
視覚的なメッセージを変更することで、発信者の意図
をよりよく、伝える。
そんな「変更」でなければ、やる意味はない。
(なんとなく、でなく、できればちゃんとした根拠を持ち
たいということだ!)

・テキストは時間をかけた情報取得、ビジュアルデザ
インは、瞬間的な情報取得。

時間軸のことなる素材を配置することによって、複層
的な情報発信をおこなうことができる。

・デザインをまなぶことは、情報の発信/受信の力、
双方を豊かにする。

プロの方々には当たり前のことなのでしょうが、
わたくしには、経験が言葉化されて、とっても面白
い!

ちなみに、現在のレイアウト部門からはレイアウト用
紙が消えてしまった。
いきなりDTPの画面で、紙面を組み出す。
前々から「それでいいのかなー」と思っていたが、本
日の講義を聞き、同僚と「手書きラフスケッチの復活
運動しようかー」と、盛り上がってしまった。

閲覧数10,083 カテゴリ日記 コメント3 投稿日時2007/08/18 23:01
公開範囲外部公開
コメント(3)
時系列表示返信表示日付順
  • 2007/08/20 01:40
    tamaさん
    私が管理職なら、絶対復活させますがね。レイアウトのクオリティアップ+スピードアップのためには、脳内設計が必要で、脳内設計が自在に出来るようになるには、手でどれだけレイアウトを書き込んだか、にかかっていると思います!
    次項有
  • 2007/08/21 12:05
    >1989年通商産業省
    今は経済産業省。
    こんなのがあります。
    「感性価値創造イニシアティブ」
    http://www.meti.go.jp/press/20070522001/20070522001.html
    「デザイン・人間生活システム政策室」という、すんごい名前の部署の方とお話しする機会がありました。
    デザインの価値。モノから「まち」へ・・・。
    横浜から発信したいですねえ・・・
    次項有
  • 2007/08/21 17:08
    鉛筆hopeさん
    >tama様
    >脳内設計が自在に出来るようになる
    >には、手でどれだけレイアウトを書き
    >込んだか、にかかっていると思います!

    ですなー。テキスト書くのも、PCで書くのと手書きとぢゃー、違いますからなー。手書きで好きな文章書き込むとよい訓練になりますからな。。

    >すぎちゃんさん

    参考になります、リンク先。
    すごいですね、確かに「デザイン・人間生活システム政策室」
    1989年と同様の趣旨かもしれませんね。
    詳しく見てみます。
    >デザインの価値。モノから「まち」
    >へ・・・。横浜から発信したいです 
    >ねえ・・・

    ぜひぜひ。「創造都市」も事業本部名になったくらいですから、デザイン、も。

    次項有
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