教室に通ってくる四歳の女の子のAちゃんが近づいてくると、その泣き声でよく分かる。お母さんに付き添われて、入ってきたときにはその泣き声は頂点に達していて、「エイゴがイヤダぁ」としばらく続き、トイレに行ったり、洗面所で顔を洗ったり、数分かけてお母さんと「協議」をしたり、「じゃあ帰ろうか?!」とお母さんが「キレ」かかると、その泣き声は「(帰るの)イヤダぁ」とまた一層大きくなる。Aちゃんの肩からはお母さん手製の泣いたとき涙を拭く「専用の」タオルが紐でぶら下がっていて、Aちゃんはそのタオルで自分の涙を拭きながら泣き続ける。そうこうして教室に入り、しばらくしていると元気に機嫌よくやっている様子が窺え、終わったときにはエイゴの余韻が残っていて母親を見つけると「破顔一笑」、手にぶら下がったりで元気に飛び跳ねている。大人たちはいつも同じようにこの「プロセス」にお付き合いをしてこの時間を「愉しんで」いる。「大人」と「子ども」の平和な時間である。
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