2014年08月13日(水) 

神奈川地域貢献支援協議会 支援事業

「宮城県 被災地防災研修」で

神奈川県内の高校生15名とともに、宮城県東松山市を訪問しました。

(一般財団法人 神奈川県建築安全協会 支援事業

神奈川災害ボランティアネットワーク運営)

 

東松島市は、仙台市・松島町の東、石巻市の西隣にある仙台湾に面したまちです。

震災前の人口は約4万3000人でしたが、現在は約4万人になっています。

震災で1,109人が亡くなり、現在も25人が行方不明のままです。

 

定林寺で献花したあと

最初に訪問した野蒜地区は、かつては仙台からの海水浴客でにぎわうまちでした。

ここでは508名が亡くなり、7名が現在も行方不明です。

 

偶然ですが、去年、日本建築学会雨水建築小委員会で

雨水タンクの調査に訪れたところでもあります。

 

一年たっても野蒜駅の周囲はほとんど変わっていませんでした。

それなのに、海岸線には巨大な防波堤が姿を現していました。

 

 

     JR野蒜駅              防波堤の造成

 

野蒜駅の駅舎がきれいに修復されて、2階が公民館のような地域の施設になっていました。

ここで高校生たちは、当時のテレビニュースを見たり

地域の人たちの話を聞きました。

 

 

 ニュース映像を見る        野蒜地区の人の話を聞く

 

地域の人たちから繰り返し聞かされたことは

「大規模震災が発生したら、どこで家族が落ち合うか決めておく」

ということでした。

家族を探しに出かけて津波の被害にあった人が少なくないからです。

 

2つめの訪問地は、東松島市月浜地区

地震で橋が落ちて一時は孤立した地域ですが

3つある集落のうち1つは津波の陰になったことから被害が少なく

住民同士で助け合うことができました。

 

 

   区長さんの話          えんずのわり集会所

 

五十鈴神社で区長さんから被災当時の話を聞きました。

 

月浜地区は「えんずのわり」という小正月の鳥追行事が現在も行われていて

国の無形文化財にしていされています。

 

http://www.pref.miyagi.jp/site/sitei/04tukihama.html

(宮城県の紹介ページ)

 

正月11日から、子どもたちが五十鈴神社の下にある集会所にこもって集団生活をし

地域から害鳥を追い払う所作を行うそうです。

 

五十鈴神社から浜に至るメインストリートは津波の被害を受けたところから

現在は高台をつくる造成工事が行われています。

また、現在も多くの人が仮設住宅で暮らしています。

 

  

  高台造成工事       月浜地区の仮設住宅

 

宮城県石巻西高校(東松島市にある)で献花。

慰霊碑はスリランカから贈られたものでした。

スリランカが津波に襲われた際に日本が支援を行った答礼のようです。

 

    石巻西高で献花

 

最後に東松島市社会福祉協議会にある

東松島市被災者サポートセンターで

課長さんから東松島でのボランティアの取り組みについて

話をうかがいました。

 

 

  サポートセンターで        ボランティアの取り組み

 

避難所で高校生が支援物資を配ると住民トラブルが少ないという話に

高校生は大きくうなずいていました。

 

日光市の高校生が定期的に東松島市を訪れて

地元高校生との共同作業も行われている話がありました。

 

かたい話の多い研修でしたが

松島町にある「町民の森」で宿泊したときだけは

高校生らしく夏休みを楽しんだようです。

 

 

 県民の森で部屋割り中 

 

 

 

 


閲覧数9,161 カテゴリアルバム 投稿日時2014/08/13 16:40
公開範囲外部公開