・・・製作中のClassA1/A3が動作テストしてもちっとも動かず、製作意欲が そっちに向かなくなってきて見事にどん詰まりしてしまった為、調整のヒントを 探すのも兼ね、気分転換で他のものに手を出していた。 ざっくりとした図面でも多くの人がそれと認識できるであろう、 近代蒸気機関車の礎となった、言わずと知れた名機関車。 これは最近知ったのだが、実はこの機関車、オリジナル及び動態レプリカ共に 来日経験があるというのである。なんという。 まぁそんな話はさておき、まずは図面からランボードとボイラーを切り出す。 ランボードの余りスペースからボイラーも一緒に切り出せるって・・・; 切り出して組み上げてみると、予想以上にちっちゃい。ちょっと油断すると あっという間に吹っ飛ばすか落っことすかしそうである。っていうかした。 火室部分を組み立て、ランボード上で現物合わせにてボイラー円筒部と接合。 割と小柄な方の霊夢人形と比較してもこの小ささである。 動輪は前作のシティ・オブ・トルーロ製作時に使用した、ジャンク品C12の 動輪を型取りし、アクセサリー用の9㎜リングにレジン流し込みで製作。 シャフトは1㎜真鍮線を使用し、従輪は暫定処置で鉄コレの6㎜径の物。 シリンダーはアルミパイプを組み合わせ、0.5㎜の真鍮線を接着してガイドに。 クロスヘッドは制作中のA1/A3と同じ方法で製作し、組み合わせた。 シリンダーの受けを製作し、ボイラーに取り付ける。ぶっちゃけた事言ってしまうと、 ここの調整でこんなに苦労すると思ってなかった。 シリンダーを仮止めして、動輪とロッドを接続して転がしてみると、全然動かない。 前進させると、ロッドがクロスヘッドの真下に来てしまい、回転の力が斜め上ではなく 真上に行ってしまい、クロスヘッドが往復運動せず、シリンダーもろとも真上に 突き上げられる事態に。この為、取り付けたシリンダー受けを一度引っぺがし、 取り付け位置を1㎜程後退させ、角度も再調整する羽目に。最終的にこの調整だけで 3~4日掛かってしまっていたというね。シンプルな構造だからすぐ組めるだろうと 高をくくっていたが、シンプルな構造だからこそ調整がかなりシビアなんだなと 今回の一件で痛感。Simple is best.But,Simple is difficult.とでもいう所か。 で、もう一つのネックだった煙室部分。どう作ったもんかと思っていたのだが、 ふと、製作中のA1/A3のフライホイールにしたマスダンパーのセットの中に、 使えそうな球状パーツがある事を思い出す。我ながらよく思い出したよな、と。 で、思い出した球状パーツ、マスダンパーの抜け止めキャップを1/4にカットし、 ボイラー先端部に取り付けた。 シリンダー角度の調整後、指で回すとスムーズに動くようになったのだが、 レールに置いて転がすと動かない、と言う事案が。これについては前にも 別のもので同じ事案があり、大体の原因は見当がついていた為、ランボードと 動輪の軸受け、そして火室に鉛板でウエイトをガン積みしたところ、 予想通りレール上で転がしても、ちゃんと転がるようになった。 爪楊枝を芯にして、その周りにペーパーを巻き付け、先端部に切り込みを入れて 煙突を製作。煙室に使ったキャップに丁度いい窪みがあったため、そこに 収まる様に芯材の爪楊枝からダボを切り出した。 各パーツを組み合わせ、機関車本体の全体の様子を見る。 今回は機関車本体は無動力である為、実質一週間ちょっと位で ここまで組みあがった。あとは細かいパーツの取り付けか。 我が家の鈍足代表、河合君に押してもらって転がりテストを実施。 低速でも滑ることなく、動輪やロッド回りがしっかり動いてくれた。 前作、シティ・オブ・トルーロと大きさ比較。トルーロの機関車本体の 半分よりちょっと短い位しかない。蒸機機関車の発展の歴史を垣間見た。 割と小柄なトルーロでもあのサイズ差なので、EF65なんかと比較すると 1/3どころか台車一台分位しかない。ちっちゃいマジちっちゃい。 この大きさで当時としては未曽有の最高時速46.6㎞/hをたたき出し、 後の機関車達の基礎として、一時代を築き上げたんだからすげぇよな。
・・・さ~てと、お次のネックはテンダーですか。あの極小サイズにどうやって 動力装置一式を詰め込んだもんですかねぇ・・・。 |