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2014年01月29日(水) 
昨日、12月に受験していた「MR認定試験」に合格したと、東京のミヤリサン製薬に4月に入社し、10月から名古屋に転勤、三重県を担当している次男から連絡がありました。中学では登校拒否、高校は全寮制の私学に通い、大学は倍率1.00の社会リハビリを専攻。同僚は薬学部や化学系の人材が多い中、医薬の世界とはまったく無縁の環境で育ってきたので、入社後半年間の研修、その後3ヶ月間の現場で、きっと必死に勉強してきたのだろうと思います。

一般にはあまり馴染みのない資格ですが、MRとは医薬品メーカーの医薬情報担当者のこと。現在国内で約55,000人以上が従事しています。医薬品の中でも圧倒的なウェイトを占める医療用医薬品は、薬局で誰でも買える一般用医薬品と比べて、効き目が強い分、副作用も強いことがあります。薬は本来人体にとっては異物であることもあり、一歩使い方を誤れば死に至ることも。そこで、どの病気にどの位の量をどのように使えば効果があるのか。その際、どのような副作用が起こりうるのか、また、新たに発生した副作用情報、追加になった適応症の情報などを、病院や医師、薬剤師に提供するのがMRの仕事です。

過去には、医薬情報担当者は情報を提供する人としてよりは、営業担当者としての役割の方が多かったのですが、1991年4月以降、独占禁止法の運用強化に対応して、医薬品メーカーは医療機関への納入価格を卸の自主性に任せて、一切干渉できないことになりました。納入価格に関与することがなくなったので、医薬情報担当者は『情報提供』という本来の姿に戻ったことになります。医薬情報担当者は医療の一端を担う者としての社会的使命と、企業を代表して医薬情報活動を遂行する立場を十分自覚しなければならない大切な仕事なんです(ほんまにあんな次男で大丈夫でしょうか?)。

以前は、MRの半数以上が文系の出身者だったり、理系の薬学部出身者でも十分な知識を持っていなかったりして、基礎的な知識が不足し医師や薬剤師などの医薬関係者に有効な医薬情報を伝えることができていませんでした。もちろん医薬メーカーがMRの教育をないがしろにしていたわけではありませんでしたが、メーカーの営利を代表する営業としての側面が強かったのが現実でした。

多くの医師、薬剤師が医療のMRの重要性は認識してはいるものの、その知的レベル、倫理、マナーなどに満足していないことを示していたことから、MR資格化の論議がはじまり、民間の第三者機関による資格制度の確立が政府の諮問機関で提言され、「財団法人医薬情報担当者教育センター」が平成9年からMRの資格認定に乗り出しました。これまでの合格率は平均83.3%、最近は約7割となっていて、頑張ればなんとか取得できる資格です。

これで、一人前の「薬売り」になる第一歩を踏み出した次男。現場に出て3ヶ月で、お医者さんや看護師さんや事務長さんや先輩たちに叱られまくりの生活を過ごしているようですが、きっとその全てが自分の糧となって立派に成長してしれるものと思います。

※ミヤリサン製薬株式会社
酪酸菌(同社では「宮入菌」と呼称することもある)製剤などの整腸剤の製造を中心に行う医薬品メーカー。 長らく後楽園球場や東京ドームの一塁側内野中段に「腸にミヤリサン」の広告が出ていました。本社屋上の看板は、上越・長野・東北・秋田・山形各新幹線乗車中から見ることができます。創業者は医学博士の宮入近冶氏で、整腸剤「ミヤリサン」は関西ではあまり知られていませんが、関東ではその効果から熱烈なファンを多く抱える専業メーカーです。

閲覧数1,182 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/01/29 08:20
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