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じっぴコンパクト新書161 『出雲大社の巨大な注連縄はなぜ逆向きなのか?』 久能木紀子著、実業之日本社、2013年9月19日発行 762円+悪税 去年60年ぶりの遷宮が行われ、 今年は代々宮司をつとめる千家家と天皇家との婚約が発表されるなど 何かと注目を集めている出雲大社についての ガイド本ではあるのだが。 「出雲大社をめぐる謎」 「大国主大神をめぐる謎」 「出雲大社成立の謎」 と 「謎」をキーワードに 読む者の知的好奇心を刺激してくる。 神殿は南向きなのに 御祭神、大国主大神は神殿の中で西を向いて 参拝者を向いていない、というのは、 よく知られた謎のひ … [続きを読む] |
書評「木下順二戯曲選Ⅱ」 木下順二著 岩波文庫、1982年7月16日初版第一刷、450円(100円) 伊勢佐木町商店街の古書店で購入 古書店まえのワゴンセールで 目に飛び込んできた一冊。 カバーはなく 帯だけの、昔ながらのスタイル。 戯曲はあまり得意なほうではないが 本から呼びかけられた気がして購入。 木下順二(1914~2006年(大正3年~平成18年)) 「夕鶴」で知られる劇作家。 (というのは後で知った) 評論も書いているし 明治大学の教授もつとめたらしい。 「風浪」は彼のデビュー作。 舞台は、明治維新直後から西南戦争までの熊本。 昨年の大河ドラマ「八 … [続きを読む] |
『移動祝祭日』ヘミングウェイ、高見浩訳、新潮文庫 平成21年(2009年)2月1日発行、590円+税(360円+税) ブック・オフ伊勢佐木町店 「移動祝祭日」とは「a Movebale Feast」の直訳。 「もし幸運にも、若い頃、 パリで暮らすことができたなら その後の人生をどこで暮らそうとも、 パリはついてくる。 パリは移動祝祭日だからだ」 と、ヘミングウェイ自身が巻頭言で語っていることに 由来している。 この巻頭言が表すように 本書は 晩年のヘミングウェイが若き日のパリでのエピソードを 短編小説風にまとめたもの。 最初はアメリカの新聞の通信員をしていたが それも辞 … [続きを読む] |
『「地元」の力 地域力創造7つの法則』 金丸弘美著、NTT出版、1600円+悪税 少し前からよみうりテレビ系の「秘密のケンミン・ショ-」が 気に入っている。 東京では「今川焼き」と呼ばれているものが 地方によって「回転焼き」「大判焼き」と呼ばれていることや なかにはハムとマヨネーズを入れて売っているものが大人気というところもある など きわめてローカルな仰天話を まじめに楽しく、驚きをもって伝えてくれる番組だ。 出演者も47都道府県の代表タレントで 他県の食べ物などに「ありえない~!」と言いながらも 実食してみると「ええ゛~、おいしい~」 … [続きを読む] |
『「脱原発」成長論 新しい産業革命へ』 金子勝著、筑摩書房、1400円+悪税 気鋭の経済学者としてテレビでも活躍している金子氏による 脱原発と経済成長が両立することを説いた好著。 このなかで金子氏は 原発事故後の政府の対応が バブル崩壊後の銀行の不良債権処理 ひいては太平洋戦争での大本営発表に通じているという。 そこに共通するものは「無責任」 だれも原因を明らかにしようとはしない。 だれも責任を取ろうとしない。 そのことがさらに状況を悪化させている。 一方、世界に目を転じれば、 ふたつのことが同時進行している。 ひとつは、リーマンショ … [続きを読む] |
『内部被曝の真実』児玉龍彦、幻冬舎新書、720円+悪税 7・27衆議院厚生労働委員会での発言で政府・国会を震撼させた児玉東大教授。 その模様はyoutubeでも配信されていて、わたしも見た。 本書は委員会での全発言、質疑応答を中心に チェルノブイリ原発事故による甲状腺がんや、 長期低線量被ばくによるチェルノブイリ膀胱炎について なぜ国会に行ったのか、何を伝えたかったのか まとめられている。 「広島原爆20個分以上の放射性物質がまき散らされた」 「母乳からのセシウム検出」 「子どもがわざわざ髙線量の地域に通わされている」 「疫学的に証明されるのを待っ … [続きを読む] |
原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて 宮台真司×飯田哲也著(講談社現代新書)760円+悪税 帯に「これからのエネルギーと/これからの政治を語ろう」とあるように、3・11福島第一原発事故のあとの社会をテーマに、気鋭の社会学者と気鋭の自然エネルギー活動家が語り合った対談集。 興味深いのは、これまでの飯田哲也の著書ではあまり語られてこなかった彼自身の出自が語られていること。山口県徳山市の郊外で育ち、母親が家族を捨てて出奔。京大では工学部だったものの、山岳部で山登りをしながら仲間と答のない問題に議論を重ねる。神戸製鋼から原子 … [続きを読む] |
『東北--つくられた異境』川西秀通著、中公新書、740円+悪税。 わたしは学生時代を仙台で過ごしたので、東北のどこへ行っても、言っていることの半分はわかる(残り半分がわからないのは、さらにまた地域別の方言があるからだ)。 本書は、東北地方というこの地域を一体的にとらえる概念は明治時代につくられたもので、「遅れた貧しい地域」という偏見は20世紀初頭のたび重なる飢饉によって形成されたことを明らかにする。 東北各地の地域性は多様性に富んでいて、東北を一体的にとらえることは現実的でないと、著者は訴える。 かつては一体的にとらえら … [続きを読む] |
『里山再生』田中淳夫著、洋泉社y新書、740円+悪税 「昔々、おじいさんは山へ柴刈りに」と語られた山とは、人里にほど近い里山。戦後のエネルギー革命で石油が生活の中心となるまでは、里山の柴や木々から割り出した薪が燃料として活用されていた。 今では一般的となった「里山」の言葉は、1960年代に四出井綱英(しでいつなひで)京大名誉教授が命名したという(へえ)。 里山の動植物は、人が手を入れることを好むという(へえ)。クヌギやコナラは、木が切られたあとの、まわりにライバルとなる植物がいない状態を好んで成長する。 一度絶滅したものの佐渡島 … [続きを読む] |
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