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2017年04月18日(火) 
書名:ヒート
著者:堂場 瞬一
発行所:実業之日本社
発行年月日:2011/11/25
ページ:397頁
定価:1700円+税

最近市民マラソンが多くなって誰でも参加できるが、そんなマラソンブームとは全く違う神奈川県と横浜市が「東海道マラソン」を企画する。最近のマラソン大会に問題提起をした作品か?

日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された「東海道マラソン」。神奈川県知事の号令のもと、県庁職員の音無太志は、日本陸上界の至宝・山城悟のペースメーカーとして、孤独なランナー・甲本剛に白羽の矢を立てる。

目標は「日本人に世界最高記録を出させることができるマラソンコース設定・運営」
(スタート)横浜市庁舎前(関内)-六号橋(川崎)折り返し、同じ所を戻り、桜木町-本牧-根岸駅-八幡橋(横須賀街道)16号線、関内-新港サークルウォーク(ゴール)というコース(直線が多く、カーブがすくなく、平坦なコース)

そして世界最高記録達成のためにはペースメーカー、神奈川県知事の号令のもと、県庁職員の音無太志は日本陸上界の至宝・山城悟のペースメーカーとして孤独なランナー・甲本剛に白羽の矢を立てる。甲本はかつてハーフマラソンの日本記録を持っていた「30キロまでの男」。世界最高記録に一番近い山城悟、ペースメーカー候補の甲本剛のいずれも出場には否定的、県庁職員の音無太志はマラソン運営の準備を進めるともにこの2人に説得を努める。

でも大会直前まで2人の出場は決まらない。「作られたマラソン」に反発する選手達、そして「作られたマラソン」に情熱を燃やす「音無太志」かなり荒っぽいストーリーですが、読み始めたら止まらないおもしろさがある作品です。
ただ実際に競技マラソンを走ったことがある人にはかなり違和感の感じる内容です。でもこんなことが出来たら良いなぁという「夢」がある物語。
レースでは本来の主役、山城悟がとんでもない行動に出る。またペースメーカーの甲本も30kmの約束の距離を過ぎても走りを止めない。さて結果は?

本書より
「 マラソンの大会で最も格が高いのは、世界最高を記録したレースだろう? 市民マラソンで三万人が参加しても、それは単なるイベントに過ぎない。素人が走るのを見て何が面白いんだ。 」

でも世界陸上より、町内運動会の方が楽しいという人も多い。自分の知らないトップランナーが走っているのを見ても面白くない。素人(友人・知人)が走っている方が面白いこともあると思いますが。

「公認コースは42.195kmの1000分の1まで許されるから、世界記録を出させるために42mだけ短いコースを設定しようと画策するシーンが出てくるが」誤差は+のみ。-短い方は0mとなっている。以前初めて42.195kmになった横浜マラソンで距離不足が問題になったことがある。


「横浜マラソンの距離不足、深くお詫び申し上げます」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/27…091100006/
堂場瞬一『ヒート』刊行を記念して異色の初対談が実現! 堂場瞬一 × 向井万起男
http://www.j-n.co.jp/columns/?article_id=14

閲覧数1,044 カテゴリ本に出会う 投稿日時2017/04/18 20:57
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