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2017年12月29日(金) 
書名:官賊と幕臣たち
   ~列強の日本侵略を防いだ徳川テクノクラート
著者:原田 伊織
発行所:毎日ワンズ
発行年月日:2016/2/3
ページ:260頁
定価:1,400 円+税

「明治維新という過ち」の第二弾です。
恫喝外交をしかける欧米列強外交団、大英帝国の支援を受けた薩摩・長州のテロリズム、命を賭してわたり合った幕臣官僚たち。日本近代史を覆す衝撃の新維新論を展開している。
前著「明治維新という過ち」は「明治維新は近代を招来した革命でも何でもなく、薩・長のテロリストらによる幼い天皇を人質とした姑息・卑劣な軍事クーデターに過ぎない」と結論づけた本。官賊とは「官」を名乗る「賊徒」のことに過ぎない。

著者の言いたいのは「列強の日本侵略を防いだのは、明治政府を作った薩・長勢力ではなく、徳川幕府の幕臣たちだった」という主張。また「幕末の尊皇攘夷騒ぎの中で欧米列強と和親条約や通商条約を結んだのは誰か?
水野忠徳、岩瀬忠震、小栗忠順、川路聖謨の4人(徳川テクノクラート)徳川の幕臣たちです。恫喝に屈せず対応し、5カ国続けて条約締結することにより、いずれの国の抜け駆け侵略をも防いだ。これは不平等条約とも非難されましたが、御一新のどさくさに諸外国が中立を守ったことで植民地化しなかった。その他、老中阿部正弘の人材登用術がピカイチ。

「吉田松陰・坂本龍馬・勝海舟を過大評価して、その結果、明治維新を一大革命」という視点はおかしいと。
龍馬が仲介したとされる薩長同盟。でも文書は両藩の署名もない桂小五郎の私的書状で、会津・桑名藩をけん制する確認状に過ぎない。「龍馬は言わばグラバー商会の営業マンです。海援隊、亀山社中とは、英国・薩摩・長州の間で大量の新型武器を交易する組織でした」したがってグラバー商会の武器を動かすことで薩長を引きつけていろいろと策謀していたに過ぎない。面白い本です。

幕末外交の生々しい実相 『官賊と幕臣たち』原田伊織著
http://www.sankei.com/life/news/160312/lif1603120021-n1.html

閲覧数893 カテゴリ日記 投稿日時2017/12/29 20:24
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