書名:鳥影の関(上)杉本苑子全集11 著者:杉本苑子 発行所:中央公論社 発行年月日:1998/2/7 定価:3600円+税 書名:鳥影の関(下)杉本苑子全集12 著者:杉本苑子 発行所:中央公論社 発行年月日:1998/2/7 定価:3600円+税 江戸幕府が出来て200年、そのな時代を舞台にした小説です。箱根の関所に人見女として勤めることになった小静が主人公「入り鉄砲、出おんな」といわれ厳重な取り調べをしていた時代からもう少し緩慢な時代。結婚して子供が生まれたばかりの時に、故郷山形を夫婦そろって遁走せざるを得なかった小静、一緒に箱根の山の中で20数年隠れ住んでいたが、良人も亡くなり、娘も嫁入りしていた。そんな小静に「人見女」の勤めを進められて天下の険、箱根の関所の「人見女」(女性の取り調べを専門にする下級役人)を勤める。関所という動かない場所・位置から人の動くことを眺めなら次々と起こる出来事、旅人のように自分が動くのではなく、他の人の動く。定点カメラの位置から眺めているような物語の展開。こんな視点があるのかとちょっとビックリ。時は二宮尊徳が生きていた時代。小田原藩の役目として箱根の関所を運営していた。当時の関所の役割、運営の仕方など、また出来事に対する処理、処置方法などいろいろ出て来る。歴史の勉強にもなる本ではないでしょうか?江戸という時代を垣間見せてくれる。 |