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2010年05月14日(金) 

コミュニケーションが成り立たたず、

頭を打ちつけるなどの自傷を絶えずしているような子どもに、

私達は、何から教えたらいいのか。

 

「 HACプログラム 」 とか

http://homepage2.nifty.com/hac2001/

 

RDI プログラムのレベル1課題

 

のようなところから始めるしかない。

 

 

RDI 「 対人関係発達指導法 」

http://www.creates-k.co.jp/books/55_1.htm

から転載する。

 

================= ここから ==================

 

【アイザック:3歳】

 

   アイザックとの暮らしには、一連の独特の難しさがあった。
          ・
          ・
 頭を壁に打ちつけることを除けば、アイザックはおとなしい子ども
  で、好きなようにさせておけばとくに不満もなさそうに見えた。しか
 し、何かを教えたり、一緒に遊んだりしようとすると、アイザックは
 まったく受け付けなかった。「いないいない、ばあ」のような0歳児
 向けの単純なゲームですら、応じようとしなかった。3歳になってい
 たのに、まだ一度も追いかけっこをしたことがなかった。アイザック
 は、1歳年上の兄であるジョンも含めて、ほかの子どもをすべて無視
 していた。おもちゃでどのように遊ぶか教えようとするたびに、アイ
 ザックは自分の木馬に戻って、木馬を揺らしはじめるのだった。

  当時、アイザックが喜んでやった活動は二つしかなく、その二つ
 のことなら何時間もやり続けるのだった。それは、バネのついた木
 馬に乗って死にもの狂いで木馬をゆさぶることと、
          ・
          ・
また、とくに理由も見当たらないと思えるときに、
 自分の頭を打ちつけることがよくあった。


【アイザック:6歳】

 

 「ビル・デイングのサッカーゲームをしようよ」。これもアイザッ
クの好きなゲームだ。スーザンは、先に戦艦ゲームをしますよ、と
 言う。その声の調子と表情で、アイザックは、スーザンが指導者役
 をしっかり担っていて、冗談を言っているのではないことを理解す
 る。「じゃ、そのあとにビル・デイングのサッカー?」「う-ん、い
 いえ。そのあとは四日並べで、お母さんが勝つわよ」。スーザンは、
 真剣そうなふりをしたふざけた声音を使う。
 「ぼくが勝つもん!」
  アイザックは断固として答えるが、顔にはほほえみを浮かべてい
 る。二人はまた笑い声をあげ、アイザックは「そのあとビル・デイ
 ング?」と尋ねる。「わかったわ」。スーザンは不本意ながらもいう
 ことを聞く、というふりをする。だが本当のところスーザンは、ア
 イザックが母親と一緒に楽しむことを大切にするようになり、母親
 の願いに柔軟に対応する能力をもちはじめたことを、心から喜んで
 いるのだ。


【3歳~6歳の間に何をしたか】

 

 私は、この3年間にスーザンとダリルとアイザックがたどっ
 てきた困難な道のりをふり返る。頭を打ちつけるのをやめさせるた
 めに、両親は何度もアイザックをきつく抱きしめた。ビーズクッシ
 ョン(大きなお手玉型のクッション)の後ろにスーザンが隠れ、ア
 イザックに探させたことは何百回もあった。たとえアイザックが激
 しく泣き出してもスーザンは姿を見せてはいけなかった。自ら働き
 かけて母親を「視覚的に参照」しなければならない、ということを
 アイザックに学ばせるために。また、一緒に倒れたりジャンプした
 りといった実に単純な動作を、何か月にもわたって繰り返し練習し
 た。この3年間、私たちがずっと試みてきたのは、「誰かと一緒に何
 かに関心をもつこと」(共同注意)によって、わくわくする気持ちを
 ほかの人と共有する楽しさを、アイザックに気づかせることだった。

 

================= ここまで ==================


閲覧数1,828 カテゴリ障がいと教育 投稿日時2010/05/14 02:12
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