先の記事、
473. 水洗いしても、野菜の放射能は落ちない? http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=36751
で、次のブログを紹介した。
葉菜である 「 高菜 」 について、 葉や茎からの 「 直接的吸収 」 が言及されている。
【2011/03/25 10:27】 WINEPブログ 非常に悔しいことだが、放射能汚染野菜は水で洗っても放射能があまり取り除けない http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1000.html > 文献を調べていたら、すでに1958年の論文で > 我が研究室の先輩が厳密な実験を行っていることがわかった。
> この同じ論文に載っている以下の表は、 > 一回目の降雨の2週間あとの4月25日に農事試験場で採取した > 高菜の分析データである。 > この表の汚染野菜の実験条件は、 > 左の欄に書いている各洗液に30分間、時々撹拌しながら野菜を浸漬したのち、 > 水道水で洗浄したということである。
> この表の結果からは、非常に残念なことだが、 > 放射能汚染野菜は、水で洗っても気休め以外の意味がないことがわかる。 > この論文の著者たちは > 「 野菜の一時的に強い放射能汚染の主たる経路は、経根的なものではなく、 > 放射性降下物のかなり堅固な表面付着並びに > 一部はそれに伴って起こる直接的吸収にもとづくことを示すものである 」 > と結論している。
また、次のマニュアルにも、 葉や茎からの 「 直接的沈着の可能性 」 が指摘されている。
緊急時における食品の放射能測定マニュアル http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-i…df#page=27 > 放射性核種の直接的沈着の可能性がある葉菜類 ( 野菜類 )、 (26ページ)
追記: (2011/04/02 05:00) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
少し、話はそれるが、 今回の記事のために、インターネットで検索していた時に 植物に欠乏している肥料要素を 「 葉面散布 」 して、「 葉面吸収 」 させる 「 葉面散布肥料 」 というものがあることを知った。
植物における葉面吸収と葉面散布 ( 要約 ) http://www.agri.kagoshima-u.ac.jp/kfruit/Resources/…ptake.html
次の記事では、放射能に汚染されたほうれん草などの野菜が、 洗った後で、あれだけの放射線の値なのだということを書いた。
473. 水洗いしても、野菜の放射能は落ちない? http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=36751
次の記事は、 「 野菜を対象に、洗浄・調理によりどの程度の除染効果があるかについて述べ 」 ている。 追記: (2011/03/30 06:30) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
原子力環境整備・資金管理センター 原環センターライブラリ 「 その他の技術刊行物 - 環境パラメーターシリーズ 」 http://www.rwmc.or.jp/library/other/kankyo/ ↓ 環境パラメーターシリーズ4 「食品の調理・加工による放射性核種の除去率」PDF 1/3 (6.38MB) 《3ページ目》 > 果菜のキュウリ、ナスは、水洗すると > 放射性降下物ストロンチウム-90の50~60パーセントが除去される。
> 葉菜のホウレンソウ、シュンギク等は煮沸処理 ( いわゆる “あくぬき” )
> 酢漬けのキャベツ、レタスのストロンチウム-90は30~60パーセントが除去され、 > 小さいキュウリの酢漬け ( ピクルス ) では放射性降下物の90%が除去される。
> Grauby報告 (1989) によれば、 > 放射性核種を添加した土壌で栽培したグリーンピースの場合でも、 > 酢による洗浄と煮沸処理 ( あくぬき ) によって、 > ストロンチウムの70パーセント、セシウムの50パーセントが除去されている。
21ページ目 の 「 海外の資料による食品の調理・加工による放射性核種の除去率 」 ↓ 「 2-1.原材料別の除去率一覧表 」 には、
「 ほうれんそう 」 は、 「 水洗い」 で、 「 I-131 」 の除去率が 「 93% 」 と なっている。 ( 実験条件は、 「 Fallout (C) 」 J.W.RALLS、H.J.MAAGHDENBERG、T.R.GUCKEEN、W.A.MERCER
なるほど、「 水で洗えば、放射性ヨウ素は、10%に落ちる 」 という発言は このあたりを参照しているのかもしれない。
調理・加工による放射性核種の濃度の変化 (09-01-04-06) - ATOMICA - http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?T…9-01-04-06 > また、ホウレンソウを用いて、 > ヨウ素を分子状および有機形として葉面吸収させた場合と > ヨウ素酸イオンの形で経根吸収させた場合とでの > 調理 (おひたし ) による除染率の違いを検討した結果、
> (葉面吸収させた) 分子状ヨウ素の場合は、30%程度しか除去されないが、
> ヨウ素酸イオンとして根から吸収させた場合 > および有機形ヨウ素として葉面吸収させた場合は、 > 約60%が除去されることが報告されている。
> この事実は、同一元素でも化学形によって除染効果が異なることを示している。
追記: (2011/03/29 01:35) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
な~~んだ、上記と同じ ATOMICA に、 牧草の 「 葉 」 に放射性ヨウ素が取り込まれる経路が書かれていた。 ほうれん草も、牧草とさほど変わらないのでは・・・・
放射能の牛乳への移行 (09-01-03-04) - ATOMICA - http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?T…9-01-03-04 > 2.放射性ヨウ素の植物に対する移行
> CH3I ( ヨウ化メチル ) と I2 ( ヨウ素ガス ) があり、 > それらは、大気中から直接牧草に移行することが明らかにされている。
> 実験によればガス状の CH3I は、主として気孔から取り込まれ、 > 表面への付着はほとんどない。 > また、I2に比較して沈着しがたく、約1/100の沈着速度である。
> 微粒子状の I2 は、気孔から取り込まれるばかりでなく、 > 表面沈着が大きい ( 気孔からの取込みの2~3倍 )。
> 屋外で粒子状で付着したヨウ素は > ( 室内でガス状に付着させた場合に比較して ) 脱離し易い。 |