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2023年05月17日(水) 

◆「文字」の習得に関する発達段階を、「津守・稲毛式 乳幼児精神発達診断」から

 拾っていくと

 

 5歳0カ月  自分の名まえを,ひらがなでかく,数字をひろい読みする
        わからない字があると,おとなにきく
 4歳6カ月  自分の名まえを読む
 3歳6カ月  みききしたことを,母親や先生に話をする
        絵本をみながら,子ども同士いろいろのことを話し合う
        自分が使いたいものを,友だちが使っているとき,「かして」という
        きいていた話がとぎれそうになると,「そうしてどうしたの」と,

       さいそくする
 2歳0カ月  いちいち「ナアニ」ときく,本をひとりで,かなりながい間みて

       楽しんでいる
 1歳9カ月  簡単な質問に答える(アッチ,カインャなど),お話を聞くことが

       好きになった
 1歳6カ月  本を読んでいるように,なにかしきりにいっている,

        本を読んでと,せがむ
 1歳3カ月  絵本をみて,知っている物の名まえをいったり,さしたりする

 

◆つまり、「文字を読んだり」「書いたり」する前に、「興味を持つ」段階が

 あるのである。

 

★①「絵本の読み聞かせ」を抜きで、「文字」の学習というのは、ナンセンスである。

 

★②「あいうえお」順に、文字の学習というのは、

  養護学校(知的)の子どもには、そぐわない。

 

  「4歳6カ月  自分の名まえを読む」

  「5歳0カ月  自分の名まえを,ひらがなでかく」

 

のように、

 

 (A)自分の名前

 

からか、

 

 (B)書きやすい文字

 

からか、ということになる。

 

★③ 「書きやすい文字」とは、

 

  曲線の多い「ひらがな」ではなく、

  直線である「カタカナ」か、「画数の少ない漢字」である。

 

『石に咲く花』田村一二 北大路書房 1966年7月より


  三平は片かなを教えるのと並行して漢字も教えた。片かなを教えて、

 それから平がなにはいり、次に漢字と考えるのが、一般の常識であるが、
 実際は、片かなに並行して漢字を教えることができるのである。


  山、川、上、下、中、口、こんな漢字は、彼らにとっては、片かなよりもむしろ、

 覚えやすいくらいのものである。ヤマと二字覚えるのと、山と一字で覚えるの

 とでは漢字の方がやすいわけである。

 

  それから、全然字を知らない者にとっては、画数の少ない字なら、

 それが漢字であろうと、あるいはまた片かなであろと、初めて覚える労力と

 いうものは同じことである。


  むしろ、ぐにゃぐにゃ曲がっている平がなの方が彼らには

 書きにくくて苦手である。


 


閲覧数482 カテゴリ障がいと教育 投稿日時2023/05/17 17:17
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