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2009年10月04日(日) 

安藤正紀 氏に、よく 「もっと、子供に頭を使わせろよ!」 と言われたものだった。

 ※安藤正紀 http://en.scientificcommons.org/%E6%AD%A3%E7%B4%80_…9%E8%97%A4

 

  「子供の靴箱の場所が1年間同じなんて、どうかしている。」

  「頭を使わせろよ! 毎日、靴箱の場所を変えてみろよ。」

  「自分の名前がわかるなら、探せるはずだろ。」

 

  「昇降口から、教室ぐらい、一人で行かせてみろよ!」 

 

  (恥ずかしながら、わたしの職場は、教師が、手つなぎで教室へ連れて行く

   ことがほとんどだった。手つなぎは、子供の歩き方を下手くそにする。

   そもそも、手つなぎしている間、前を見ていない子どもすらいる。)

 

 

同じことを 

上岡一世 氏は、自閉症児の教育について、次のように言う。

 

「判断力の向上
 判断できる学習の設定
 行動のパターン化よりも思考のパターン化を」

 

次の本で言うと、「機転」 の章 (pp.102-105) に書いてある。 

 

『自閉症児のY君が就職するまで』
       上岡一世著 明治図書 1986年3月

 

この本は、何回も読んだ。

「嘘だろ? このY君が就職できるはずない。」 と思って読み始めた。

しかし、Y君は、この本の終わりで、就職しているのである。

 

p.12
この年、本校中学部からの進学者八名は、なかなかの大物ぞろいでした。
Y君を含めてIQ測定不能の子供が四名、IQ30の子供が三名で、他の一名は自閉的傾向のある比較的能力の高い子供でした。
中でもY君は別格で、勝手な行動が目立ち、すぐにパニックに陥るなど扱いにくい子供でした。
どの親御さんも、卒業後は施設へという希望しかもっておらず、将来に不安をいだいていました。

 

p.13
 したがって私は、重度といわれている子供全員の就職を目標としました。

中でも、どうにもならないといわれていたY君を就職させることが、私にとっては最大の目標となりました。

もし、Y君が実社会で働くことができるようになったなら、重度な子供を持つ親御さんの大きな励みになるのではないかと、自分なりの夢をいだいての出発でした。

 

p.14
 とうとう私も堪忍袋の緒が切れて、実力行使に出ました。

Y君の前に立って、両手でY君の後頭部を押さえ込み、むりやり拾わせようとしたのです。

ところがその瞬間です。

「あ痛い!」と声をはり上げた時には時すでに遅く、肉もあまりない私のおなかには見事な歯型がつき、内出血をしていました。

ものがいえないY君の必死の抵抗だったのでしょう。

Y君の大物ぶりに感心すると同時に、大変な子供にかかわることになったというのが最初の印象でした。

 

pp.102-103
(3) 機  転

 ---最近ようやく、先生がよくいわれる機転のきく行動がとれるようになってきました。

今までは一つ一つ自分の行動を消化するのが精いっぱいで、見通しをもった行動、かしこいなと思うような行動は見られなかったのですが、あれっと思うような行動が見られます。

今日も料理をさせているとき、なべが沸騰しだしました、すると、Yがさっと火を消すのでなく、弱くしてくれました。

真剣にじわっとしていました。こんな真剣な顔ははじめて見ました。

私が時々そうすることがあるのですが、よく見ているのだなと驚きました。
                         (「Y君の生活表」昭和五十七年九月二十四日、母親)

p.104
 ---今日こんなことがありました。
午後五時から二十四時間、タンク掃除のため水道が止まっていました。
Yはトイレに行って大便をし、水が流れないので困っていました。
しばらくそのままにして様子を見ていました。
すると、お風呂場で音がするのでパパがのぞいてみると、Yがユニエーターのほうから水を出して洗いおけに入れ、トイレに運んで流していたのです。これほど頭が働くとは思ってもみませんでした。私が食器を洗うとき、そこから水を出したのを見ていたのですね。
「よく見ているな」と主人も驚いていました。想像もつかない出来事でした。
                       (「Y君の生活表」昭和五十七年十一月二十三日、母親)

 


閲覧数5,051 カテゴリ障がいと教育 コメント1 投稿日時2009/10/04 21:02
公開範囲外部公開
コメント(1)
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  • 2009/10/05 20:14
    鉛筆Rimbaudさん
    http://plaza.rakuten.co.jp/naokasan/diary/200903070000/

    の naoさんのように、家族が、
    外を本人が歩けるようにすることは、
    並大抵の努力ではできません。

    > 大好きなプールに行くためには
    > 何箇所も信号がある道を歩かなければなりません。

    > 最初はプールに着くまでが命がけ。
    > 危険が分からない上に信号の理解がない人と
    > 1時間歩くのは本当に大変(^_^;)
    次項有
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