安藤正紀 氏に、よく 「もっと、子供に頭を使わせろよ!」 と言われたものだった。 ※安藤正紀 http://en.scientificcommons.org/%E6%AD%A3%E7%B4%80_…9%E8%97%A4
「子供の靴箱の場所が1年間同じなんて、どうかしている。」 「頭を使わせろよ! 毎日、靴箱の場所を変えてみろよ。」 「自分の名前がわかるなら、探せるはずだろ。」
「昇降口から、教室ぐらい、一人で行かせてみろよ!」
(恥ずかしながら、わたしの職場は、教師が、手つなぎで教室へ連れて行く ことがほとんどだった。手つなぎは、子供の歩き方を下手くそにする。 そもそも、手つなぎしている間、前を見ていない子どもすらいる。)
同じことを 上岡一世 氏は、自閉症児の教育について、次のように言う。
「判断力の向上
次の本で言うと、「機転」 の章 (pp.102-105) に書いてある。
『自閉症児のY君が就職するまで』
この本は、何回も読んだ。 「嘘だろ? このY君が就職できるはずない。」 と思って読み始めた。 しかし、Y君は、この本の終わりで、就職しているのである。
p.12
p.13 中でも、どうにもならないといわれていたY君を就職させることが、私にとっては最大の目標となりました。 もし、Y君が実社会で働くことができるようになったなら、重度な子供を持つ親御さんの大きな励みになるのではないかと、自分なりの夢をいだいての出発でした。
p.14 Y君の前に立って、両手でY君の後頭部を押さえ込み、むりやり拾わせようとしたのです。 ところがその瞬間です。 「あ痛い!」と声をはり上げた時には時すでに遅く、肉もあまりない私のおなかには見事な歯型がつき、内出血をしていました。 ものがいえないY君の必死の抵抗だったのでしょう。 Y君の大物ぶりに感心すると同時に、大変な子供にかかわることになったというのが最初の印象でした。
pp.102-103 ---最近ようやく、先生がよくいわれる機転のきく行動がとれるようになってきました。 今までは一つ一つ自分の行動を消化するのが精いっぱいで、見通しをもった行動、かしこいなと思うような行動は見られなかったのですが、あれっと思うような行動が見られます。 今日も料理をさせているとき、なべが沸騰しだしました、すると、Yがさっと火を消すのでなく、弱くしてくれました。 真剣にじわっとしていました。こんな真剣な顔ははじめて見ました。 私が時々そうすることがあるのですが、よく見ているのだなと驚きました。 p.104
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