自閉症児や、発達1,2歳の子どもには、
4つの天気の絵の中から、「 くもり 」 を指さしてと指示した時に、 いつも指さしている 「 はれ 」 を指さしてしまうことがよくある。
( だって、ほとんど毎日が 「 晴れ 」 の天気なのだから。)
その時に、もう1枚 「 くもり 」 のカードをもってきて、 「 これと同じマーク、どれ? 」 「 これと同じのどれ? 」
と、教師が説明をすればするほど、 子どもは、ますます、混乱する。
1つは、ワーキングメモリーの問題。 (言葉が多すぎてわからない。)
2つ目は、そもそも、教師の言葉が 「 これ 」 「 同じ 」 「 マーク 」 「どれ」 どれ1つとっても 子どもにわかっていないのかもしれない。
わたしは、 もう1枚 「 くもり 」 のカードをもってきて、 その子に見せて 「 くもり 」 と言ってから、
その子の視線を 4つの天気の絵のほうに戻させただけだった。
さて、PECS には、 「 4ステップエラー修正 」 というのがあり、 今、教えた正しい行動を 「スイッチ」 させるところが、興味深い。
感覚遊びが多い自閉症児のCくんの場合に、
(1) 教師 は、ひも と 本を 両方持っている。 (2) Cくんが、ひもと本の2枚のカードから、どちらかを選んで教師に手渡す。 (3) 教師 は、ひも と 本の両方を手に持って見せる。
ところが、Cくん、 カードを手渡せば、自分のほしいものをもらえる程度にしか思っていない。 (自分のほしいもののカードを渡すと、自分のほしいものがもらえるという 因果関係がまだ理解できていない。)
(4) の正解パターン Cくんが、カードと同じものに手を伸ばしたら、 「 ひも 」 または 「本」 と言い、
(4) の間違い (エラー) パターン ★ 「 4ステップエラー修正 」 Cくんが、カードと同じものに手を伸ばしたら、
A) 取らせないようにブロックし、
C) 教師 は、ひも と 本の両方を手に持って見せるが、
D) スイッチ 「おじぎペコっ、」「あれを見て、」などと (2) に戻る
|