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2011年03月17日(木) 

東日本大地震、つづく余震、原発、計画停電……と
みなさんも連日、報道をご覧かと思います。

トラウマ(心的外傷)」という言葉はすでにお馴染みでしょう。
では、被災者じゃない人も、トラウマを抱えるでしょうか?

答えは、イエス。
トラウマを抱えるのは、被災者やその親族、知人などの関係者だけではありません。
わたしたち誰もが、今回の大地震でトラウマを抱える可能性があります。

わたしのまわりでも、すでに
「重い(暗い)気分になる」
「怖い」
「ACのコマーシャルうんざり」など
つらい気持ちを訴える方も少なくありません。
実は≪震災報道を連日見続ける≫ということは
非常に高いストレス、心のダメージになるのです。

専門用語で「二次受傷」といいます。
このとき、あなたの心の中ではどんなことが起こっているのでしょう?

大津波の爪痕に驚愕しない人はまずいないでしょう。
空からあるいは地上で映された、街を破壊する人知を超えたパワー。
その前に、なす術もない被災者の涙、大切な存在を失った嘆きのコメント
見ているあなたは心苛まれ、胸も張り裂けんばかり……。

テレビに登場する被災者に強烈に共感、あるいは同情し、現実に疲労感を覚え(共感性疲弊)、
彼らの体験があたかも自分のことであるかのように感じ
てその苦しみを抱え込み(代理受傷)、
彼らと同じ感情が芽生え、その影響が表れます(外傷性逆転移)。

たとえば、
被災者の悲しみに同一化して……
「もしも親族を失ったら……」という想像が
頭から離れず失望してしまう
「陸の孤島」となった被災者の孤独感と同一化して……
家族がいるにも関わらず
自分も「孤立無援だ」と感じてしまう
怒りを訴える被災者と同一化して……
猛烈な怒りの矛先を政府、社会、
あるいは被災者自身や自分自身に向ける、などです。

このとき、被災地から遠く離れた場所にいるあなたは、

あたかも自分のように感じる被災者を救えない無力感
寒空の下にいる被災者を前に暖房のついた部屋にいることへの罪悪感
覚えることもあるでしょう。
にもかかわらず、あなたはますます

・ニュースが気になってテレビから目が離せない
・インターネットや新聞、雑誌を用いてさらに情報収集

どんどんのめりこんで、何かきっかけがないと
自力では離れられなくなります。
そうするうちに、あなた自身の問題として

・気分が晴れず、どこにも外出する気分になれない
・食欲を失う、おいしい物の食べても味を感じない
・眠りが浅い、夜中や早朝に目を覚ましてしまう
・余震を恐れ、小さな物音にも敏感になる
・家族の安全を過剰に気づかう
・家族や恋人、友人と親密な関係を築くことを恐れる

などの形で表れてくるかもしれません。

自分でできる対処法としては、

第一に、これ以上の情報を仕入れないこと
第二に、それを続けること、そのための工夫をする
第三に、今のこの気持ちをシェアする相手を探すこと

です。

詳しく対処法については、明日また書きます。

計画停電のまえに、ヤシマ作戦で節電を。
みなさん、今夜はテレビを消してゆっくりお風呂につかり、
早めに床に就きませんか。

 

 

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月曜日のエントリで書いたとおり、NPO法人リアルトレジャーでは、

震災後の心のダメージのケアのために無料カウンセリングを実施しています。

http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=36399

どうぞ、つらい気持ちの中に一人ぼっちでいないでください。

お申し込み、お問い合わせはお気軽に。


閲覧数2,741 カテゴリストレス・ケア コメント0 投稿日時2011/03/17 18:21
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