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2010年01月01日(金) 

10年以上前の TV CM に、

「くさめ、くさめ…」 と能 の衣装をまとった人が、二人で

繰り返す ものがあった。

 

「くさめ」 とは、昔の日本語で、

今の日本語なら、「くしゃみ」 である。

 

 

 

 

 

 

 

高校生の古典で習った 

『徒然草』 に、「くさめ」 の出てくる有名なくだりがある。

 

 第四十七段 

 > 或人、清水へ参りけるに、老いたる尼の行き連れたりけるが、

 > 道すがら、「くさめくさめ」と言ひもて行きければ

 >  (ある人が清水寺に、お詣りに出かけた。一緒についてきた年寄りの尼さんが

 >  道すがら、「くさめ、くさめ」と言い続けてやめない。) 

 

 >  鼻ひたる時、かくまじなはねば死ぬるなりと申せば、

 >  (くしゃみをしたときに、このまじないをしなければ、死んでしまうと言うではないか。)

 

 > くさめ

 >  くしゃみをしたときに唱える、まじないの呪文。

 >  「休息命 ( くそみょう ) 」 を早口で言った言葉。  

 http://www.tsurezuregusa.com/index.php?title=%E5%BE…3%E6%AE%B5

 

ちなみに、英語圏でも、同じような習慣があり、

今でも、この習慣は続いている。

 

先日見た、TVドラマ 「MI-5」 で

ベネズエラ大統領の暗殺を CIAに頼まれた狙撃手が、くしゃみをした時に、

元ジャーナリストの MI-5見習いくんが、

「Bless you!」 (あなたに、神のご加護があらんことを!) と

間髪を入れずに言っていましたから。

 

昔の日本や英国の人々は、くしゃみと一緒に、体の中から霊魂が飛び出してしまい、

入れ替わりに、邪鬼 (悪霊) が体に入ってきて、 

それで、死んでしまう。 と考えていたようです。

 

「風邪は万病の元」 といいますし、

医療が国の隅々まで行き渡っていなかった時代ですから、 

「くしゃみ」 から死んでしまうことは、本当によくあったのだと思います。

 

だから、誰かが、くしゃみをしたら、

「くさめ」 と、おまじないのことばを唱えたり、

「(God) Bless you!」 (あなたに神のご加護があらんことを!) と神に祈ったのです。

 

上で、 「くさめ」 は、  「休息命 ( くそみょう ) 」  の変化したものという説を

紹介しましたが、

 

わたしは、邪鬼に向かって、 「糞食め ( くそはめ ) 」 と言ったことばが、

「くそはめ」 → 「くさめ」 になったという説を支持します。

 

なぜなら、現代でも、「そんなの 糞食らえ」 というような言い方が残っているように、

邪鬼などの相手に向かって、 「糞食らえ」 という風習があったと考えるほうが

自然だからです。

 

 


閲覧数3,461 カテゴリうんちく 投稿日時2010/01/01 09:04
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