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2011年01月24日(月) 

鎌倉時代を代表する仏師、運慶の初期から晩年までの作品をゆっくり楽しめる
小規模ながら贅沢な展覧会。
展示されているのが、像内納入文書や手配書含めて、ほとんど国宝、重文クラス。
まさに眼福でした。
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenjiannai.htm
大きい展覧会だったら、人でごったがえして、あんなにゆっくり鑑賞できないと思います。

横浜ビギナーのわたし、金沢文庫は今回が初めてです。
今回も「行きたい」ってリクエストを出したら
出不精のダーリンったら、大学で東洋哲学(宗教)を専攻してたくせに

「ウンケイ? それってダレ?」
(覚えるのは苦手ですが、忘れるのは得意なんです、わたしたち)

「『中世密教と鎌倉幕府』?…ああ、いちばんムズかしいとこね」
(いやいや、カンタンなのなんてないでしょうに)

そういうわけで首に縄つけて、連れ出したんです。
そしたら、案の定、

「サンスクリットの真言とかみると、『うわー』ってなるよね!」

とか、わたしよりもノリノリで(笑)

「鎌倉と平安の彫刻の違いって、気づいた?
あの、動き、やっぱり、オリエントの影響受けてるよね!」

授業で習ったことが「ぶわーっと」フラッシュバックした(笑)というダーリンは

仏像というと、表情も姿もどこか女性的・中性的な静かなイメージですが
この時代は違います。
金沢文庫のある、称名寺を訪ねて最初に出会う仁王門の阿吽の金剛力士像(鎌倉末期の作)からして
まず大きさに圧倒されますが、その動的なポーズにも表情にも“力”を感じます。
運慶の作品も、胸板が厚くて、筋肉が盛り上がり、腰をひねったり、脚をあげたポーズ
あるいは、鮮やかな色の法衣のドレープに“動き”を感じます。

よく「仏の顔も三度まで」と言いますが、
見る者の心を見透かすような力――魔力か法力か――がこめられているように感じました。

金沢八景の瀬戸神社所蔵の舞楽面(鎌倉時代初期の作)も興味深かったですね。
昨年10月に歴史博物館で行われた特別展「天狗推参!」を思い出しました。
http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=33280
まるで烏天狗のような面の意匠は、
仏教・日本というよりヒンドゥー・南アジアの要素が見え隠れするようで。

帰りに野島公園に寄ってブラブラ帰ってきたんですが、運河に浮かぶ船を眺めながら、
かつての、昔の横浜ってこういう感じだったのかも……と想像しました。
陸地は小さいけれど、海はどこまでも広がっていて、どこへ行くのも自由。
地縁もしきたりも階級もなく、出会うのは運だけです。

父も仏師だった運慶は、奈良で生まれ、父の後を継ぎ、京都で仕事をはじめます。
偶然にも運慶チーム(今なら「運慶組」とでもいうのでしょうか)が
携わっていた修復作業で、空海直筆の真言が発見されたことで名声が上がる中、
鎌倉とのつながりを深め、活躍の場を東国へとシフトしていきます。
そして、今まで(平安・京都・貴族)の価値観に縛られない、
ダイナミックな表現を残しました。

運慶の仏像に宿る
目を合わせてきた者を逆に見据える眼力や
今にも動きだしそうな迫力に浴する
スピリチュアル・ドーピングのおかげか
生命力がアップしたような気がします。


閲覧数3,078 カテゴリ横浜のイベント「行ってきました!」 コメント0 投稿日時2011/01/24 17:44
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