293. 「 自閉症 」 、この人に聞きたい in 神奈川 http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=26815
に書いたように、
就学前、学齢期 ( 小学校、中学校、高校 or 小学部、中学部、高等部 )、社会人 の一時期についてだけなら語れる専門家は、たくさんいる。
就学前、学齢期、社会人の、 幼少の時から大人になってからまでを、教育、指導、支援をして、 ほとんどすべてを、立派な成功事例にしてきた実績を持つのは、
上 岡一世 氏、 横山 浩之 氏、 篁 一誠 氏の3人ぐらいしか、わたしは知らない。
さて、そのお一人である上 岡一世 氏が校長を務める特別支援学校から 新著が発売された。
『 将来の 「 働く生活 」 を実現する教育 キャリア教育に基づく支援内容・方法の検討 』 愛媛大学教育学部附属特別支援学校 著 2011/01/18 明治図書 http://www.meijitosho.co.jp/detail/?isbn=4-18-061421-9 > 本校の目指す教育は、子どもたちの生活の質、人生の質を高めることにある。 > どうすれば、子どもたちの家庭生活の質、学校生活の質、地域生活の質、 > 職業生活の質、社会生活の質を高めることができるかを、
> 具体的に何を目標にして取り組んでいるか。 > それはすべての子どもたちの自立、社会参加の実現である。
> 本校では、自立とは、 > 「 自分のもっている力を100%発揮し、他から受ける支援を最小にしている状態 」、
> 社会参加とは、 > 「 子どもにとって最もふさわしい生活の中で適応できている状態 」
> 「 適応とは家庭生活、学校生活、地域生活、職業生活、社会生活で、 > 自ら自分の役割を果たし貢献できている状態」 と捉えている。
こういうことなら、「 すべての子どもたちの自立、社会参加の実現 」 も可能かもしれない。
小学部、中学部、高等部 12年間の教育から、いくつかを拾ってみる。
《 人間関係形成能力 》
【 小学部 】
社会生活で通用するコミュニケーション手段を獲得する。(身振り、 指サイン、手話、カードなど)
[ 集団参加 ] (低学年) ・身近な大人からの働きかけを受け入れる。 [ 意思表現 ] (中・高学年) ・分からないことや困ったことがあれば、 自分から援助を求める。 ・活動の許可を求めたり、終了を報告したりする。 ・経験したことを感想を交えながら説明する。 [ あいさつ、清潔、身だしなみ ] (低・中学年) ・身近な人にあいさつをする。 ・「 ありがとう 」 「 ごめんなさい 」 を言う。 ・体を清潔にしたり、身なりを整えたりする。 [ あいさつ、清潔、身だしなみ ] (高学年) ・身近な人と簡単な応対をする。 ・「 ありがとう 」 「 ごめんなさい 」 を相手に理 解してもらえるように適切に言う。
【 中学部 】
[ 自己理解・他者理解 ] ・自分の言動が他者に及ぼす影響について知る。 [ 協力・共同 ] ・自分の分担に責任をもち、他の者と協力して作業や実習をする。 [ 意思表現 ] ・見聞きしたことなどを相手に分かるように話す。 [ 場に応じた言動 ] ・場の状況や相手の立場を理解して、あいさつしたり 場の目的に応じた振る舞いをしたりする。 ( あいさつ、適切な言葉遣い、身だしなみなど)
【 高等部 】
[ 自己理解・他者理解 ] ・産業現場実習等における実習など、実際的な職場体験を通して、 自己の能力や適性について知る。 ・自分の言動や態度が他者に影響を及ぼすことを理解し、 人間関係を円滑に進めようとする。 [ 場に応じた言動 ] ・相手や場面に応じた適切な振る舞いをする。(あいさつ、 適切な言葉遣い、電話のマナー、敬語の使用、服装、身だしなみ、 実習先における職場の上下関係、実習先における接客マナーなど)
《 情報活用能力 》
【 小学部 】
[ 社会のきまり ] (低学年) ・日常生活の簡単なきまりに従って行動する。 [ 社会のきまり ] (中学年) ・大人や友達と簡単なきまりのある遊びをする。
[ 金銭の扱い ] (低学年) ・簡単な買い物をする。 [ 金銭の扱い ] (中学年) ・決まった額の買い物をして、金銭の大切さが分かる。 ・いろいろな金銭があることを知る。 [ 金銭の扱い ] (高学年) ・使いみちを考えながら買い物をして、金銭の取り扱いに慣れる。 ・初歩的な数の概念を理解し、簡単な計算をする。
[ 役割の理解と分担 ] (低学年) ・身の回りのことを自分でしようとする。 [ 役割の理解と分担 ] (中学年) ・学級等の基礎的な集団活動において、 簡単な係活動をする。 [ 役割の理解と分担 ] (高学年) ・ ・・・友達を意識したりしながら、 簡単な役割を主体的に果たす。 ・役割の必要性や、達成感を経験して 働くことの喜びを感じる。
【 中学部 】
[ 情報収集と活用 ] ・職業生活や家庭生活で使われる 情報機器等の初歩的な扱いに慣れる。
【 高等部 】
[ 法や制度の理解 ] ・社会や国にはいろいろなきまりがあることを知り、 それらを適切に守る。 [消費生活の理解 ] ・労働の対価としての給与の意味を理解し、 計画的な消費生活を送る上で必要な事項を理解する。 ・生活の設計のために、余暇の有効な過ごし方について 理解を深め、実際の生活に生かす。
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