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2012年04月01日(日) 

(1)ラインケアを大切に
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(2)ワタミのケース:聞こえないSOS
http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=41579
のつづきです。

 


ワタミ・渡邉会長がポジティブでエネルギッシュで
加えてフレンドリーな好印象の人物で
さらに卓越した手腕の経営者だったことは間違いありません。

そんな会長に惹かれ、憧れた若者が
夢を胸に抱き、ワタミへやってくる。
この労災認定を受けた女性がそうであったかはわかりませんが……。

会長だけでなく、
ワタミ全体がそんな空気で満たされているそうです。

「頑張らなければいけない」空気に、人が組織で取り囲まれる怖さ
-渡辺美樹氏、木村剛氏を観察した私の経験から
(石井孝明 / アゴラ3/16)
http://agora-web.jp/archives/1440415.html

高い理念、パワフルに事業を拡大し、業績を上げ、
さらに「夢の溢れる社会のため」に貢献する……

「強さ」「正しさ」「善さ」「美しさ」「明るさ」でいっぱいの
キラキラしたこんな空気に満たされたとき、人は酔います。
高揚感、万能感、使命感、興奮、熱狂、行動力、
積極性、モチベーション、やる気、勇気、元気……
そういったものがバンバン湧いてきます。

でもこれがずーっと続いていたら、
一見いいように見えますが、実は危険です。
“躁”状態。

去年、被災地で威勢よく暴言を吐いて大臣の辞任し、
その直後に入院した松本元復興相が診断された「軽躁状態」、
アレです。

限界を超えてドライブしすぎちゃうことは
あまり、健康によろしいことではありません。

プライベートで、ならいいでしょう。しかし
大義名分とか正義とか理念とかを持って組織にあるとき
どんな形で現れるのかというと
それは決して、強くも正しくも善くも美しくも明るくもありません

渡邉氏の場合……

・ビルの8階とか9階から、「今すぐここから飛び降りろ!」と平気でよく言う
・どれだけきつく叱っても大丈夫かというのが信頼関係のバロメーター
・例え無理な事だろうと鼻血を出そうがブッ倒れようが

  無理矢理にでも1週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです
・全力で走らせてそれを1週間続けさせればそれは『無理』じゃなくなるんです

ということもあると自ら発言しています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E9%82%89%E7%…E%E6%A8%B9

法的に問題がなく、業務上必要で適切だったとしても、
言い方や表現方法しだいでパワハラになります。
さらに、「大したことは言ってない」場合でも、
その結果、相手がメンタル不調に陥ったりすると、
パワハラの可能性がでてきます。

こういう言動に、誰も(わたしもあなたも)が走り、
誰かを傷つけたり、プレッシャーを与える危険性があります。
1回目に書いた、労災認定された精神障害の発症原因の
第2位、パワーハラスメントのリスクが高まります。
パワーハラスメントについては増加傾向にあることから
3/15に厚生省が予防・解決に向けた提言を発表しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000025370.html

「元気がない」のは誰にでもわかりやすい不調ですが
「調子がよすぎる」は見逃されがちな不調です。

ラインケアでチェックが必要なのは、
どちらも同じです。

もっとも渡邉氏の場合、社員との間に信頼関係があって、
「叱るときにも、根底にあるのは『好き』という感情で、

 好きでなければ叱る資格はないんです」
「『辞めろ』と言ったことは1回もありません。

 社員が好きだから、絶対に辞めてほしくないんです」
とも述べています。
http://www.j-cast.com/2010/08/23074074.html

それでも、死者が出てしまいました。

どんなに有能で愛情に満ちた経営者であっても、
どの人がどのくらいの衝撃や負荷で
精神障害に陥ってしまうのかなんて
わかろうはずもありません。
メンタルヘルスを守る仕組みや安全のルール
それぞれの組織で必要になるのではないかと思います。

それは、小さな、単純で、簡単ものでいいのです。たとえば
・上司に言いたいことを言える目安箱
・弱音タイム

 (批評はせずに愚痴や不安を言いっぱなし聴きっぱなしで)

・SOSのチーム内サイン

・叱責は時間制にする
 (叱る→怒るになるとどんどん長くなります。これは苦痛)

・週刊管理職ランキング(人気投票)

・今月の三賞発表(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)
・会議の最後は笑顔でお互いに「ありがとう」

人間はまちがいますし、転びます。
崖の道を踏み誤って、転落したら死んでしまいます。
だから、せめて「転んで痛い」くらいで済むように
ガードレールをつくりましょう。
そんな工夫があって、安心できたら
コンスタントにスムーズに遠慮なく

能力を伸ばしていけるのではないでしょうか。

 

リアルトレジャーは、喜んでそのお手伝いをさせていただきます。

 


●パワハラについての資料
職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言取りまとめ
(厚労省3/15)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000025370.html
厚労省、パワハラの相談員配置 全国の主要労働局に
(共同通信3/15)
http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012031501001927.html
厚労省の定義では見えない“パワハラ”の境界線
機能不全の職場で神経戦を続ける上司と部下の苦悩
(ダイヤモンド・オンライン2/3)
http://diamond.jp/articles/-/15977
パワハラの定義―厚労省初、上司部下に関係なく
(クレメンティア・コモンズ1/31)
http://cl-co.com/headline/news/2255/
職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告
(厚労省1/30)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021hkd.html


閲覧数1,662 カテゴリニュース コメント0 投稿日時2012/04/01 01:30
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