(1)ラインケアを大切にhttp://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=41546(2)ワタミのケース:聞こえないSOShttp://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=41579のつづきです。
ワタミ・渡邉会長がポジティブでエネルギッシュで加えてフレンドリーな好印象の人物でさらに卓越した手腕の経営者だったことは間違いありません。そんな会長に惹かれ、憧れた若者が夢を胸に抱き、ワタミへやってくる。この労災認定を受けた女性がそうであったかはわかりませんが……。会長だけでなく、ワタミ全体がそんな空気で満たされているそうです。「頑張らなければいけない」空気に、人が組織で取り囲まれる怖さ-渡辺美樹氏、木村剛氏を観察した私の経験から(石井孝明 / アゴラ3/16)http://agora-web.jp/archives/1440415.html 高い理念、パワフルに事業を拡大し、業績を上げ、さらに「夢の溢れる社会のため」に貢献する……「強さ」「正しさ」「善さ」「美しさ」「明るさ」でいっぱいのキラキラしたこんな空気に満たされたとき、人は酔います。高揚感、万能感、使命感、興奮、熱狂、行動力、積極性、モチベーション、やる気、勇気、元気……そういったものがバンバン湧いてきます。でもこれがずーっと続いていたら、一見いいように見えますが、実は危険です。“躁”状態。去年、被災地で威勢よく暴言を吐いて大臣の辞任し、その直後に入院した松本元復興相が診断された「軽躁状態」、アレです。限界を超えてドライブしすぎちゃうことはあまり、健康によろしいことではありません。プライベートで、ならいいでしょう。しかし大義名分とか正義とか理念とかを持って組織にあるときどんな形で現れるのかというとそれは決して、強くも正しくも善くも美しくも明るくもありません。渡邉氏の場合……・ビルの8階とか9階から、「今すぐここから飛び降りろ!」と平気でよく言う・どれだけきつく叱っても大丈夫かというのが信頼関係のバロメーター・例え無理な事だろうと鼻血を出そうがブッ倒れようが
無理矢理にでも1週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです・全力で走らせてそれを1週間続けさせればそれは『無理』じゃなくなるんですということもあると自ら発言しています。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E9%82%89%E7%…E%E6%A8%B9 法的に問題がなく、業務上必要で適切だったとしても、言い方や表現方法しだいでパワハラになります。さらに、「大したことは言ってない」場合でも、その結果、相手がメンタル不調に陥ったりすると、パワハラの可能性がでてきます。こういう言動に、誰も(わたしもあなたも)が走り、誰かを傷つけたり、プレッシャーを与える危険性があります。1回目に書いた、労災認定された精神障害の発症原因の第2位、パワーハラスメントのリスクが高まります。パワーハラスメントについては増加傾向にあることから3/15に厚生省が予防・解決に向けた提言を発表しています。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000025370.html 「元気がない」のは誰にでもわかりやすい不調ですが「調子がよすぎる」は見逃されがちな不調です。ラインケアでチェックが必要なのは、どちらも同じです。もっとも渡邉氏の場合、社員との間に信頼関係があって、「叱るときにも、根底にあるのは『好き』という感情で、
好きでなければ叱る資格はないんです」「『辞めろ』と言ったことは1回もありません。
社員が好きだから、絶対に辞めてほしくないんです」とも述べています。http://www.j-cast.com/2010/08/23074074.html それでも、死者が出てしまいました。どんなに有能で愛情に満ちた経営者であっても、どの人がどのくらいの衝撃や負荷で精神障害に陥ってしまうのかなんてわかろうはずもありません。メンタルヘルスを守る仕組みや安全のルールがそれぞれの組織で必要になるのではないかと思います。それは、小さな、単純で、簡単ものでいいのです。たとえば・上司に言いたいことを言える目安箱・弱音タイム
(批評はせずに愚痴や不安を言いっぱなし聴きっぱなしで)
・SOSのチーム内サイン
・叱責は時間制にする (叱る→怒るになるとどんどん長くなります。これは苦痛)
・週刊管理職ランキング(人気投票)
・今月の三賞発表(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)・会議の最後は笑顔でお互いに「ありがとう」人間はまちがいますし、転びます。崖の道を踏み誤って、転落したら死んでしまいます。だから、せめて「転んで痛い」くらいで済むようにガードレールをつくりましょう。そんな工夫があって、安心できたらコンスタントにスムーズに遠慮なく
能力を伸ばしていけるのではないでしょうか。
リアルトレジャーは、喜んでそのお手伝いをさせていただきます。
●パワハラについての資料職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言取りまとめ(厚労省3/15)http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000025370.html 厚労省、パワハラの相談員配置 全国の主要労働局に(共同通信3/15)http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012031501001927.html 厚労省の定義では見えない“パワハラ”の境界線機能不全の職場で神経戦を続ける上司と部下の苦悩(ダイヤモンド・オンライン2/3)http://diamond.jp/articles/-/15977 パワハラの定義―厚労省初、上司部下に関係なく(クレメンティア・コモンズ1/31)http://cl-co.com/headline/news/2255/ 職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告(厚労省1/30)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021hkd.html