話題の年金マンガを読んでみました。
http://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/img/manga_all_low.pdf
結局、キモはココなんですよね
大ヒンシュクの「お見合いパーティに行こう!」も含めて
どんどんライフスタイルの選択の幅が
狭められている印象を強く受けました。
都会に行きたくないという独居高齢者を
育児、介護、看護が必要になった家族を
充実した生活支援サービスや医療で支えられるでしょうか?
サービスや医療への出費が増えれば
生活の負担がぐっと増え、年金では賄えなくなります。
独居老人の場合、健康であっても
入居できる不動産物件が乏しくなり、
高額の高齢者専用物件にしか入居できなくなります。
結果、現役世代への経済的負担が増えるため
さらに「稼ぐ」必要が出てくるので
どんなに稼いでもカツカツになるのは目に見えています。
年金子さんがくり返す
「年金、大丈夫です!」が
「しっかり貯蓄しておいてくださいね」に
読めてしまうのはホンの妄想でしょうか。
製作費1600万円のこのマンガのコンセプトは
年金への理解というよりも
生活支援サービス各社と
老後資金を運用する金融機関のPRのような気がしてなりません。
(かなりうがった見方ですが)
そして、「年金、大丈夫」の落としどころが
「子どもをばんばん生んで~」
その手段として「お見合いパーティ」ではオサムすぎます。
政府としての主張が
「安定した年金のために出生率をあげたいんです!
みなさん、たくさん子どもを産んでください!」
であるならば、それはそれでいいと思います。
むしろ、そこをギャグにするのではなく
はっきりと意図的に主張してほしいものです。
そうすれば、妊娠可能年齢の未婚女性に向けて
妊娠のための「お見合いパーティ」を提案することが
いかに、レベルの低いつまらないプレゼンテーションであるかが
頭の硬いお役人や政治家にも一目瞭然でしょうから。
育児経験のない未婚の男女に結婚を迫るのではなく
育児経験のある夫婦・カップルに対して
「こんな制度を利用すれば、育児が楽になりますよ!」とPRして、
「これならもう一人産んでも大丈夫!」
と安心してもらうほうがよっぽど効果的だと思うのです。
実際、厚労省は昨年10月の最高裁の判断を受けて*1
3/31にマタハラは即違法とするという通達を出しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koy…njokintou/
こういうことを、もっとたくさんアピールしてください。
今もハラスメントに苛まれている老若男女は
まだまだたくさんいるのですから。
お見合いパーティよりも
マタハラを抑止・回避するしくみ・ルールづくり、
男性が育児休暇・介護休暇をとりやすいしくみ・ルールづくりなど
厚労省が得意な、厚労省にしかできない、厚労省ならではの仕事が
たくさんあるのではないでしょうか?
そうして、健やかに育児を楽しむ先輩夫婦・先輩カップルの姿を見て
「わたしたちもああなりたい!」と思う未婚の男女が増えることが、
出生率の上昇につながるのではないでしょうか?
「婚活!婚活!」と若い人を煽るのは
プレッシャーやストレスを与えるだけでなく
それ自体がハラスメントになりかねません。
しかも、厚労省にできる仕事は、婚活関連産業の活性化くらいで
男性、女性とも、異性の目を引くためにクジャクのように着飾り、
さらに、格差を大きくし(婚活勝者/敗者、婚活強者/弱者)
ひがみ、ねたみ、そねみが膨らむ
一層、不幸でつまらない世の中になっていくだけです。
そんなつまらない風景ではなくて、
「そうなったら、ほんとうにいいなあと思う風景を
お役人・政治家のみなさまには描いていただきたいものです。
そうです、みなさまはお疲れなのかもしれません。
どうでしょう、アートセラピーはじめてませんか?
自分の仕事、それも得意な仕事をしましょう。
やりたくないことをイヤイヤでなく、やりたいことを楽しんで、
やらなきゃならないなら、やる楽しみを探し出して。
そうでないと、疲れてしまいます。
疲れてしまうと、こんなマンガに1600万円も浪費するというミスを
有能なエリートだって冒してしまうのです。
年金をあてにしなくても、幸せに楽しく仕事を続けて行けるように
人生を楽しんで働きましょう。
*1 2014年10月、最高裁が妊娠による不当な降格人事を「男女雇用機会均等法が原則禁止しており、本人の同意がなければ違法」と認定。
http://withnews.jp/article/f0141029002qq00000000000…000011056A