29歳男性ベビーシッターによる事件のあと、twitter上でも さまざま議論が起こりました。そのなかでカウンセラーとして 注目したのが、アメリカ在住で主夫をしている@nynuts氏の 育児するうえで男性性についての発言でした。
ご自身が自覚的な努力によって抑制している男性性を、 氏は「ケモノ性」と表現し、その暴力性や攻撃性が 子どもへ向かう危険性について警鐘を鳴らしました。 一方で、 育児という経験が男性性が抑制されたり、 テストステロンが低下するという身体的な変化が起こったりするなどの
それらのツイートのまとめがこちらです。
男性の育児と「ケモノ性」
まとめでもふれているとおり、これは議論の是非を問うものではありません。
人の一生をよく季節に喩えられるように、 その人にとっての育児、あるいは介護にも 「適齢期」があるようにも思えます。
一般的に20代前半の若い人にとっては 育児より介護のほうがツラいでしょうし、 逆に幼児の育児は、40代後半の人にとって シンドい仕事になるでしょうから。
また、男性性には、心理的な側面だけでなく、 身体的な側面もあり、困った経験を持つ別の方からコメントを受けました。
包容力、力強さ、勇気、挑戦、責任、理論的な考え方などがあります。 助かる場面、男性性がリソースとして活用されることも少なくありません。
ただ同じ男性性である、攻撃性、暴力性、身体性に対して、 イクメン男性自身が困惑しているという事実。 これが緩和されれば、男性はもっと自信をもって育児にかかわり、 その分、女性の負担も軽減されるはずです。
また、男性が 育児に積極的になれない、あるいは育児を恐れる、 育児中のパートナーに距離を置くといった問題が起こるときも、 同様に、男性性への男性の困惑があるのかもしれません。
男性、女性ともに心の中に持っているものです。 対人関係に大きな影響を及ぼすものですから、 関係性がより密な対人関係である、 パートナーシップや家族関係、育児にも深くかかわってきます。
自分の中にある、男性性と女性性をいかに傷つけずに、 生かしあい、伸ばしあえるのか、 そのためにどんな手法やアイディアが使えそうか。 今回はそんなテーマについて考える機会になりました。
男性性、攻撃性をいかに昇華、統合させるかは 育児における古来からある、 けれども心理的なケアの手段が確立していない 新しいテーマなのだと思います。
育児の問題を抱えた人のサポートをするとき、 男性性とうまく向き合い、順応してもらい、 自然にうまく機能するようになることは、 母親支援にとっては無視できません。 たとえシングルマザーであっても、今回のケースのように 男性ベビーシッターや男性保育士、 そして、友人、親兄弟など男性とかかわることはあるのですから。
(写真はオハイオ州の児童虐待防止団体のポスターを用いました)
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