22日、厚労省は自殺対策推進本部を設置し、2016年度予算は 約26億3600万円を見込んでいることを発表しました。
3月は内閣府の自殺対策強化月間でもあるので、 特設サイトで全国のさまざまな相談窓口など公開中です。
自殺対策窓口は、 内閣府(共生社会)・厚労省(こころの健康・労災)のほか、 文科省(児童生徒の自殺予防)・ 総務省(有害サイト・自殺予告)・ 法務省(法律・人権)・農水省(高齢社会など)・ 経産省(倒産防止・経営者の自殺)・ 国土交通省(鉄道自殺・河川・ダムでの自殺・限界集落)・ 警察庁(自殺者保護・救助)・金融庁(多重債務)・ 消費者庁(消費者保護)に置かれています。
2005年の自殺対策の関連府庁は、 警察庁・文科省・厚労省だけだったので、 多岐にわたる側面から対策がとられているはずです、 もし、うまく連携しているのならば。
お話を聞きますとか見守りますとか、予防にはなるでしょう。 ゲートキーパーも相談事業もいいんですが、 対策って「死なずに済む」と自殺企図者が思えることだと思うんです。
多重債務など経済・生活不安、失業や倒産、過労、 育児・介護の疲れ、家族・人間関係の問題、 依存症や精神疾患など健康問題といった 悩み(それも多くの場合、重複している)を、 自分でどうやって解決していけるのか。
当然、今「自分にそんな力なんてない、あるわけがない」 と絶望している人に、 「これで死なずに済む」と思ってもらえるようになるサポートって、 とてもたいへんな仕事でしょう。
多重債務者の救済では、法律面、 生活面(ギャンブル癖・支出の見直し)、 メンタル面の包括的な消費者救済が行われていますが、 自殺防止対策はどうなんでしょう?
予算がついたことはよいことですが、 相談と見守りでは解決できない問題がある限り、 自殺企図者に朝は来ないように思います。
厚労省が自殺対策推進本部の設置を発表した22日、 国立精神・神経医療研究センターは、 子どもたちが自分たちで自分たちを守ることを学ぶ 「小・中学校における自殺予防教育プログラムGRIP」を 公開ました(現在は中学生用のみ)。
相模原の悲劇を再発させないために、 子どもとかかわりのある大人の方は、 「教師が知っておきたい子どもの健康と自殺予防」の ご一読をお薦めします。
虐待・いじめの被害に遭っている子どもたちに。 子どもの人権110番(平日8:30~17:15) フリーダイヤル0120-007-110 どうしたらいいかいっしょに考えてくれます。
お説教ナシ!18歳までの子どもの相談先 チャイルドライン(月~土16:00~21:00) フリーダイヤル 0120-99-7777 は、 3/24から3/30までの期間限定でチャットでも相談できます。 http://www.childline.or.jp/chat/
厚労省のニュースとこの資料を読んだのがきっかけで書きました。
自殺予防対策に関する行政評価・監視結果報告書:平成24年6月(総務省行政評価局)
地域における自殺対策取組事例集:平成27年9月(内閣府自殺対策推進室)
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