養護学校 (知的) の子どもに、
コーラを飲んだ後、舌を出す子どもがいる。 この子は、他にも、
ちょっと熱いものを飲んだ時にも、舌を出す。
実は、こういう子どもは、初めて見た。
舌を出すことは、健常児で、何歳くらいで、できるかというと、 わたしが、姪っ子で、試したところだと、生後4ヶ月である。 下の(4)で、舌をのばす。
(1) 「 おつむ てん てん てん 」 を大人がやってみせると、 「 おつむ てん てん てん 」 を大人が赤ちゃんの手をもって
(2)大人が両足首をもって、口の近くまで、もっていき
(3) 「 イナイ イナイ バー 」 の反応はイマイチ
(4) 「 イナイ イナイ バー 」 がまったくウケなかったので、 偶然ではなく、その後、何時間かあけて、2,3度やってみたが やっぱり、舌べろを長く出したのだった。(笑)
さて、養護学校 (知的) の 「 コーラや熱いものを飲んで、舌を出す 」 子どもに、話を戻す。
この子は、小さい子どもの過敏が強く残っていて、 小さい子どもの注意の転導性、多動性、衝動性も強く残っていて、 多少、思うように自分の体を動かせない不自由さも持っている。
小さい子にはよくあるように、 自分を見てくれる、自分を相手してくれる大人や友達の声、顔に反応する。 自分の興味のある車の音が聞こえたり、車が見えたら、 今、取りかかっていた靴を脱ぐのなんか、どうでもよくなってしまう。
この子が、「 コーラや熱いものを飲んで、舌を出す 」 のは、 おそらく、口の中の過敏によるものではないかと思う。
汗をよくかくが、額の汗をぬぐいたくて、額や顔をこする。 帽子は、被らせても、すぐに、自分でとってしまう。 マスクも当然、すぐにとってしまう。
歯みがきも、口の中の過敏が強く、 やっと、上の歯は、奥歯のほっぺ側も磨かせてくれるようになってきた。 しかし、下の歯は、舌べろが邪魔をして、なかなか磨かせてくれないのである。
「 過敏 」 というと、自閉症、AD/HDなどの 「 感覚統合 」 がうまくできていない 子ども達をすぐに、連想してしまうが、 もともと、誰にでも小さい頃は 「 過敏 」 があって、成長とともに、 だんだんと薄らいでいくのではないかと、思うようになった。
自閉症児や、ダウン症児に、 ハンカチなどをもって、ひらひらさせるのが好きな子がいるが、 これも、誰でも生後3,4ヶ月は、こんなのが好きだったわけである。
つまり、多くの人は、成長とともに、 もっと、面白いこと、楽しいこと に興味を持って、「 ひらひら 」 は 卒業してしまったにすぎない。
でも、新しいことに、興味、関心が、自分からでは、ひろがりにくく、 自分からでは、 「 感覚統合 」 がうまくできない子どもには、 「 ひらひら 」 を卒業できないことも多いのかな。
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