養護学校(知的)の高等部では、 作業学習(職業学習)を行っている。 下の画像のような、作業班に分かれている。 (どの生徒がどの作業班に入るかは、先生が決めるのであって、 生徒の希望ではないことがほとんど。) (いろいろな作業を経験させるためらしい。) 一般的に、 1~4 は、知的障害が重度の生徒が参加しやすい作業班であり、 5~8は、知的障害が軽度で、就労をねらえる生徒の多い作業班である。 8は、ここ数年で、新しくできた作業班であり、 この作業班で行っている 自動車の洗車、ビルクリーニング(トイレ清掃含む)が そのまま、就労につながるケースもある。 逆に言うと、1~7の作業班で、 縫製をしてきたからといって、縫製関係の仕事に就労することはほとんどないし、 農園芸をおこなったからといって、農園芸関係の仕事に就労することはほとんどない。 (★就労先は、春2週間、秋2週間の年2回の現場実習によって決まる。) (★現場実習は、将来の就労先での仕事に近いが、 校内で行われる作業学習は、将来の就労先での仕事とはかけ離れている。) (★アルバイトも、現場実習と同様の意味を持つことがある。) つまり、養護学校(知的)の作業学習は、 「仕事をする意欲・態度」を育てることが目的なのであり、 「将来、自分が就労するであろう仕事を練習する」ものではないことがほとんどである。 このことが、自閉症の生徒の就労率が低い原因である。 なぜなら、自閉症の生徒の場合、 「将来、自分が就労するであろう仕事と同じ環境で練習する」(現場実習) ことをたくさんしておかないと、 就労したのに、1週間もしないうちに(こんな仕事、嫌だ!)と やめてしまうことが少なくないからだ。 一方、 ■就労をめざさない進路に進むグループの場合には、 (就労継続支援B型、地域活動支援センター、障害者地域作業所、 生活介護、更生入所施設) 製品作りや、余暇活動として、 養護学校の1~6の作業班で3年間やってきたのと同じような 作業・活動をすることになる。 ★このように、見てくると、 養護学校(知的)の作業学習は、 「知的障害が軽度で、就労をねらえる生徒」よりも、 「知的障害が重度の生徒」のためにあるように思えてくる。 |