神奈川県のとある養護学校の 夏季休業中の職員室前の廊下である。
長机の上に、本がずら~~~っと並べてある。
教員研修の一環として、夏季休業中に 「 おすすめの本をお互いに持ち寄って、本を読もう! 」 という企画である。 70冊ぐらいはあると思うが、その95%は、この企画の言い出しっぺの 研究推進班のリーダー ( 女性 ) が持ってきたものだ。
このリーダーの他に、本をこのコーナーに置いているのは、 小学部リーダー ( 男性 )、中学部リーダー ( 女性 )、 そして、小学部のベテラン教員 ( 男性 )、中学部の若手教員 ( 男性 ) だ。
本を廊下から、職員室の自分の席などへ持ち出す時は、 このノートに記入する。
本は、それぞれ、「 発達障害 」 「 構造化 」 「 SST ソーシャルスキルトレーニング」 「 支援ツール 」 「 キャリア教育 」… などに分けられている。
廊下で、本をめくっている教員は、ベテラン世代よりも、若い教員が断然多い。
本は読まないよりは、読んだほうがいい。 研修やセミナー、講習なども行かないよりは、行ったほうがいい。参加したほうがいい。
しかし、自分で身銭を切って、自分で選んで、 買った本、参加した講習、セミナー、研修会とは比べものにならない。
養護学校の教員で 小学校で教えたことのある20代の教員は、 皆、学級経営、保護者への対応、授業に多少なりとも苦戦した経験があり、 「 その時、この本に救われた。 」 と言って、 皆 (前任校で3人、全員男 )、向山洋一氏 の本を挙げたものだった。
養護学校の教員は、あまり困ることがないのだろうか? 小学校の教員よりも本を読んでいるように見えない。
「 目が合わない 」 のは障害だから仕方がない、などと思っているのではないか、 と勘ぐってしまう。 ( この問題にはすでに答えが出ている。)
「 跳び箱の開脚跳びは誰でも跳ばせられる 」 と、斎藤喜博が書き、 向山洋一氏がそれは、こうやればできる、と追試できるように書いた。
このように、教育の世界で、答えが出ていることは、決して少なくはない。 知らないことで、教員は、子どもを不幸にしているかもしれないのである。
ちなみに、養護学校で、 本を読んで、よく真似 ( 追試 ) られていることには、
『 みんなの自立支援を目指すやさしい応用行動分析学 「 支援ツール 」 による特別支援教育から福祉、小・中学校通常教育への提案 』 高畑 庄蔵著、明治図書 2006年5月22日 http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-020024-4
の 「 お手玉腹筋 」 。
自分の学校の公開講座からは、 カ行がタ行の発声になったり、サ行がタ行になったりする児童・生徒に 以下のような絵を見せて、口の体操をする、
など、具体的な方法が書かれているものがほとんどである。
小学校の支援級の先生がやっているような 横山浩之教授 ( 小児科ドクター ) の フィンガーカラーリング、目を合わせる練習、 HACプログラムなどを、
養護学校で、あまり見かけないのは、 養護学校の先生達の勉強不足だろうと思う。
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