養護学校 (知的) 小5で、
「チャーチ」 「バーボ」 「ディダ」 「バババ…」 などの喃語はあるが、 言葉らしい言葉を聞いたことのない児童がいた。
「 言葉を話すようになるには 」 ( とはいっても、月に1回 「はい」 と言っていたのが、 毎日、1回言うようになり、2回、3回・・・10回言うようになり、 他の言葉も1,2語言うようになり・・・というぐらいのイメージだが。 )
ということで、保護者に話したことは、 次の2つだったと思う。
(1) 本人が、要求を一日に、何回も何回も・・・すること。 (2) 本人が頭を使うようにさせること。
具体的に、
「 (2) 本人が頭を使うようにさせる 」 には、
(A) 毎日、連続30分間のお手伝い 「 調理」 のように、いろいろな手順があるものが最適
(B) 両手を使って、頭を使う課題として、 就学前から好きでやっていた 「メジャーアップカップス」 など。 最初、5個をやっと内側に重ねていたのが、 数ヶ月で、9個でもできるようになった。
「 (1) 本人が、要求を一日に、何回も何回も・・・する 」 には、
お手伝いの後に、 VOCA 「 せんせい 」 を押して、先生の注意を引き、 好きなおもちゃのカードを選んで、 先生のところにもってきて手渡す
ことを、繰り返した。
途中で、おもちゃを、教師がさっと、奪い取って、 また、要求からさせることも、当然やった。
ある時、トイレで、 「 おいしい 」 と聞こえると思って聞けば、そう聞こえるような 発語を聞いたことがあった。
たまたま、1回ではなく、2,3回言ってくれたので、 デジカメの音声録音モードで録音した。
かつて、この児童を担任した教師は、 「 担任の欲目でそう聞こえるだけだよ。 」 と笑った。
1年後の小6、教師が、 「 おいしい 」 と3,4回言うと、 30秒ぐらいしてから、 「 おいしい 」 を3,4回繰り返して言うようになっていた。
また、 階段を上る時などに、 「 はい 」 というか 「 あい 」 と言うことがあった。
1年後の小6、教師が、 「 はい 」 と3,4回言うと、 30秒ぐらいしてから、 「 はい 」 を3,4回繰り返して言うようになっていた。
教師がしたことは、
「 はい 」 とか 「 おいしい 」 というもともと あった言葉を、 月に1回 「はい」 と言っていたのが、 毎日、1回言うようになり、2回、3回・・・10回言うようにしたというだけだ。
この 「 はい 」 とか 「 おいしい 」 という言葉を教えたのは、 お母さんに違いないのだ。
小5で、これぐらいの変化があるのなら、
生まれた時から、「 絵本の読み聞かせ 」 などを毎日すれば、 もっと変化があるのかもしれない。 ないのかもしれないが・・・・。
|