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2009年11月14日(土) 

自閉症児の保護者から、「今までできていたことができなくなった。」
という話をよく聞く。

 

要するに、完全に身に付いていない行動は、
「やらなくなれば、すぐに忘れてしまう。」

ということである。


例えば、私たちも、高校で勉強した 「微分積分」 を
社会人になった今も使えるかと言われれば、 「できません。」 というのと同じことだ。


ケース1★

 ある自閉症児(女児)が、やっとトイレの個室の中で排泄をすることが
 できるようになった。


 ところが、2,3ヶ月したある時、トイレの個室が全部ふさがっていて、我慢できなくて
 トイレの個室の外で、してしまった。


 教員が大騒ぎをして、対応したために、

 この自閉症児は、
 「トイレの個室の外ですると、みんなが相手してくれて、楽しい。」
 と思ってしまった。


 この事件から2年経った今でも、
 トイレの個室の中で、排泄することができていない
 という。


 ★どうすれば、良かったかというと、


  トイレの個室の中で排泄ができたことを、
  毎日、毎日、3年間は、ほめ続けて、
  確実に身につけさせなければいけなかったのだ。


  トイレの個室の外でしてしまった時に、
  淡々と対応しなければいけなかったのだ。

 

 

ケース2★

 ①ある自閉症児が教員の眼鏡をとる。

 ②教員は、「眼鏡とりません。」 とか、「眼鏡、大事。」 などと言う。

 

  毎日、毎日、この繰り返しである。

  つまり、これは、全く指導になっていない。

 

 なぜならば、「眼鏡とりません。」 とか、「眼鏡、大事。」 は、

 子どもに、 「どういう行動をすればいいのか」 を示していないからだ。

 

 例えば、「廊下は走りません」 に対しては、

 次のどれでもが、正解になってしまう。

 (つまり、子どもに 「どういう行動をすればいいのか」 を示していないのだ。)

 

  (A) 廊下を早歩きする。

  (B) 廊下に座り込む。

  (C) 廊下でピョンピョンジャンプする。

      ・

      ・

      ・

      ・

 

 わたしは、 「手はピタッ!」 と 両手を体側につけて、我慢するように教えた。

 これは、教員をひっかきにくる子どもに対しても同じように教えた。

 

 1年後、クラスの担任に対しては、 「眼鏡をとる」 ことは無くなった。

 

 次の年、別の担任が、この子を受け持つことになった。

 わたしは、次の担任に言った。

 

 「今年の貯金 (教えた成果) を現状維持できるか、

  さらに貯金を貯めることができるか、

 はたまた、貯金を全部、使い果たして、元に戻ってしまうか。

 先生の教え方次第ですよ。」 と。

 

 果たして、半年後、

 

 この子は、元に戻ってしまっていた。

 「3年間、同じように教え続けないとダメだ。」

 という現実をつきつけらた出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 


閲覧数2,006 カテゴリ障がいと教育 投稿日時2009/11/14 13:15
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