自閉症児の保護者から、「今までできていたことができなくなった。」
要するに、完全に身に付いていない行動は、 ということである。
ある自閉症児(女児)が、やっとトイレの個室の中で排泄をすることが
ケース2★ ①ある自閉症児が教員の眼鏡をとる。 ②教員は、「眼鏡とりません。」 とか、「眼鏡、大事。」 などと言う。
毎日、毎日、この繰り返しである。 つまり、これは、全く指導になっていない。
なぜならば、「眼鏡とりません。」 とか、「眼鏡、大事。」 は、 子どもに、 「どういう行動をすればいいのか」 を示していないからだ。
例えば、「廊下は走りません」 に対しては、 次のどれでもが、正解になってしまう。 (つまり、子どもに 「どういう行動をすればいいのか」 を示していないのだ。)
(A) 廊下を早歩きする。 (B) 廊下に座り込む。 (C) 廊下でピョンピョンジャンプする。 ・ ・ ・ ・
わたしは、 「手はピタッ!」 と 両手を体側につけて、我慢するように教えた。 これは、教員をひっかきにくる子どもに対しても同じように教えた。
1年後、クラスの担任に対しては、 「眼鏡をとる」 ことは無くなった。
次の年、別の担任が、この子を受け持つことになった。 わたしは、次の担任に言った。
「今年の貯金 (教えた成果) を現状維持できるか、 さらに貯金を貯めることができるか、 はたまた、貯金を全部、使い果たして、元に戻ってしまうか。 先生の教え方次第ですよ。」 と。
果たして、半年後、
この子は、元に戻ってしまっていた。 「3年間、同じように教え続けないとダメだ。」 という現実をつきつけらた出来事だった。
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